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2005/07/13(水) タフの方舟

日常

[] タフの方舟 1 禍つ星

ISBN:4150115117

 遠い昔に作られた、巨大なバイオ施設を備えた胚種船〈方舟〉。たまたま船を手に入れたハヴィランド・タフは、交易商から環境エンジニア(自称)に転身する。星々を渡り歩いて、膨大な人口を養える穀物や、害虫を駆除する生物を提供するのだ。もちろん、報酬をもらうことは忘れない…。

 タフが方舟を手に入れるまでと、方舟に乗ったタフがさまざまな星で遭遇する事件を描いた連作短編。

 帯には「宇宙一あこぎな商人」とか書かれていたけど、あまりあこぎな印象は受けなかった。ところが……

[] タフの方舟 2 天の果実

ISBN:4150115168

2冊目を読んだら、彼のヒドさがよく分かりました。

「魔獣売ります」は、有力者たちが猛獣を育てて闘技場で戦わせ、その勝敗で権力の序列が決まる惑星の物語。有力者の依頼で、タフがさまざまな猛獣を作り出すのだが、その中にこっそり「ゴジラ」なんてのが混じっていて愉快。

 ところで作者は、にらめっこで負けたほうが家来になる習慣を持つ吸血鬼たちを描いた『フィーヴァードリーム』の人ですね。

1: こじま 『タフの方舟、ひさびさに、あたまをひねらなくても楽しめるSFでした。あこぎさについては同感。そして『フィーヴァードリーム』の説明が...』 (2005/07/13 13:43)

2: ふるやま 『にらめっこ、ってのはポピュラーな認識だと思ってました……>フィーヴァードリーム』 (2005/07/15 12:41)

2005/05/22(日)

日常

[] 吉村萬壱 / バースト・ゾーン

ISBN:4152086378

没落した日本を舞台にした人権軽視ディストピア小説、と思って読んでいたら、第二章からは人権がどうのとか言ってられないくらいブチ切れた展開に。そして結末、まさか××SFだったとは。気が狂ったと思われると困るので、あらすじは説明しない。

2005/04/05(火)

日常

[]ウィル・マッカーシー / アグレッサー・シックス

ISBN:4150115079

たいへんバカバカしくてよろしい。

人類文明を脅かす異星人の戦略・戦術を把握すべく、彼らの言語や習性を身につけた特殊調査班の物語。

……だが、メンバーの大半はあまり異星人になりきれてないし、一人だけになりきってる奴はあまりにもなりきってしまってチームから浮いてしまっている。人類が何億人という単位で死んでいるさなか、彼らはおもむろに「これまでの人生で恥ずかしかったこと」を話す会を開いたり、もうなにがなんだか。

クライマックスで彼らが見出す解決法たるや、呆れてものも言えないくらいに意外だ。なぜもっと早くそれをしない? というタイプのもの。なんというか、クイーンの『第八の日』を思い出してしまった。

異星人の設定(4つの性と6人単位の社会構造とか)があまり活かされていないのはもったいないけど、この脱力もののオチだけですべてを許してしまいたくなる。許しちゃいけないような気もするんだが。