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シャトゥーン ヒグマの森

ミステリ

[]増田俊成 / 宝島社

ISBN:4796656391 巨大にして獰猛、しかも狡猾。そんな地上最強の動物・ヒグマが、山小屋に逃げ込んだ人々を襲う。

 ヒグマと人間の死闘に的を絞った作品。飢えた野獣の、人間を圧倒する力の強さと、狩りに特化した知性の冴えが心に残る。

 ちなみに応募原稿の段階では、ヒロインの生い立ちにもドロドロしたエピソードが満載されていたのだが、書籍化に際してそのへんはばっさりカットされている。最初に読んだときよりも引き締まった感じ。

 それにしてもヒグマは強い。本書におけるその強さはもはや怪物と呼んでもいいだろう。怪物小説は大きく「でっかいのが一匹」と「ちっちゃいのがたくさん」に分けられるが、これは前者の傑作である。
  • 第5回このミス大賞授賞式 Bookstack 古山裕樹
    気づいてみればもう5回目。1次選考で自分の箱に入っていた応募原稿が本になるのは第1回以来のことである。『シャトゥーン ヒグマの森』は「熊が襲ってくる」という、シンプルにして破壊力の強いテーマの物語(1次選考の評)。作者の増田氏が、受賞の一言として「ヒグマの...

2006/09/14(木)

日常

[][]ナイチンゲールの沈黙 / 海堂尊

『チーム・バチスタの栄光』に続く第2作。舞台は前作と同じ病院で、今度は小児科に関わる事件。

謎のつくりは、前作に比べるとずいぶん小粒。緻密だけど地味。ただし、病院というシステムを描きつつ、多彩なキャラクターを巧みに動かして、緊密なドラマを組み立てている。変人官僚・白鳥をも振り回す警察キャリアも登場し、前作で評価されたキャラクター小説としての面が強調されている。

面白く読める作品だけど、今後はもっと謎解き自体の力でひっぱるものも読みたいところ。それにしても、ある意味『マクロス』みたいな話だった。タイトルのダブルミーニングは秀逸。

[]落選作品のゆくえなど

9/12分へのコメントがあったので……

これまでも、大賞を受賞しなかったけど本になった作品はいくつかありますね。『そのケータイは~』とか、昨年だとピエロの話とか。で、そういうものは今後もあるんじゃないでしょうか。今年から復活した読者投票も、もしかしたら影響力があるのかもしれません。

(もうちょっと書き足すかもしれません)

2006/07/03(月)

日常

[]一次選考通過作決定

ひとまず宝島社に作品名を連絡。選考のコメントはこれから書く。

2006/06/24(土)

日常

[] 45 / 50

多くの場合、応募原稿を読むときはわりと冷静だ。読みながら「キャラクターの描写はもっと濃密な方が」てなことを考えていたり。

中には、そういう冷静さをはぎ取ってしまう作品もある。描写が云々、なんてことを考えている場合ではなくなる。この話はいったいどうなってしまうのか、とラストまで一気に読んでしまう。

で、無事そういう作品に遭遇できました。