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2003/06/23(月) 表紙買い

読書
CDを買うときに、ジャケットだけを見て、そのまま勢いで買ってしまうことがある。

それと同じように、表紙だけを見て買ってしまった本がある。私の場合、ジャケ買いはともかく、表紙買いには「当たり」が多いような気がする。

そんな「当たり」をいくつかご紹介しよう。

ミルクから逃げろ!

ASIN:4899980353 表紙もいいけど、牛乳瓶の形をしたしおりがついてるところがいい。戸梶圭太ばりのアイデア。

フィルス

ASIN:4901142100 表紙は赤、青、黄色の3バージョンあった。
 この本、諸般の事情でうちに2冊あったので、1冊を人にあげることにした。そこで先方に「青と黄色のどっちがいいですか」と聞いたところ、「青と黄色って?」と戸惑わせてしまった。
 ところで表紙のブタは、イギリスのおまわりさんの帽子をかぶっていたりする。これ、本国じゃちょっとした問題になったらしい。
 内容はといえば、股間に湿疹、腹にサナダムシを抱えた、お下劣刑事の鬼畜な日常。ところがどっこい、これが凄まじく泣かせる話なのだな。私にとっては1999年翻訳ものの最高傑作。

愛はいかがわしく

ISBN:4048970089 表紙はゴージャス。借金まみれのしょぼい詐欺師のお話を、こんな景気のいい表紙で飾ってみるというひねり方は好きだ。やっぱり、負け犬野郎の見果てぬ夢、なんだろうな。→詳細

バカなヤツらは皆殺し

ISBN:4562033053 男としてはちょっと嬉しいアングルに惹かれたわけじゃないけど、買ったその日に一気読み。こいつはこれまでに読んだ小説の中でも、確実にベスト10に入るだろう。表紙買いでそんな作品に出会えるってのは、とても運がよかったと思う。→詳細

驚異の発明家の形見函

ISBN:4488016359 いろいろな品が詰め込まれたこの箱が、どうやら「形見函」と呼ばれるものらしい。

 読んでみれば、これが実に内容に合った表紙であることが分かる。この形見函に配された品の一つ一つから紡ぎだされる、ある発明家の生涯。それはやがて、この形見函へと収斂してゆく。

 想像力を刺激してくれる表紙だ。

紙葉の家

ISBN:4789719685 表紙買いというよりはレイアウト買い。本屋で見かけたら、とにかくページを適当にパラパラとめくってみて欲しい。びっくりするから。

地獄のコウモリ軍団

ISBN:4105900153「モンティ・パイソン」に欠かせない、テリー・ギリアムのアニメを思い出した。内容も、モンティ・パイソンとはいささか流儀が異なるものの、やっぱりブラックユーモアがあふれている。毒気の効いた短編集だ。

けだもの

ISBN:4167527626すみません、表紙買いではありません。解説書きました。

ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」は、編集の方が画集を眺めていて「これだ!」とひらめいたとのこと。そういえば、この絵に描かれたサトゥルヌスの狂気は、ある登場人物の妄執にも重なるものがある。

The Twelve Forces―海と大地をてなずけた偉大なる俺たちの優雅な暮らしぶりに嫉妬しろ!

ISBN:4048732617これも表紙買いというよりは、むしろ作者買いな一冊である。
写真で見ても分からないけど、けっこう凝ったつくりなのだ。→詳細

戸梶圭太は、本のデザイン面にも気を配って、自分というブランドのイメージをきちんとコントロールしようとしている。この本に限らず、彼の著書に見られる装丁などの工夫からは、小説「だけ」に触れてきた人間には決して真似のできないセンスが感じられる。

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