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2003年6月の日記

2003/06/30(月)

日常

「このミステリーがすごい!大賞」応募原稿をすべて読み終える。


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2003/06/28(土)

日常

『バトル・ロワイアルII』刊行を祝う会。

二次会では杉江松恋さんが「霜月蒼さん(♂)の尻はいかに素晴らしいか」について語り続けた。そんな話を聞いてたせいかどうかは不明だが、店を出るころにはかなり気分が悪くなって、中華料理店に行く人々と別れてふらふらと帰宅。私はそっち方面の描写に弱いのかもしれない。


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2003/06/25(水)

日常

泣ける本

 職場近くの書店で、こんな手書きのポップを見かけた。

泣いてください。そして、善と悪について考えてください。

 あーまたアレですか。癒しとか感動とか、そーいうアレですか……と、ポップの下を見ると、そこには信じがたいモノが平積みにされていた。

ISBN:459402534X

 正気ですか。

 あれは「しまった読んじゃった」と思うことはあっても、泣くとかそういうのとは違う位相にある本だと思う。

 よりにもよってジャック・ケッチャム。しかもその鬼畜ぶりが存分に発揮された『隣の家の少女』だ。『隣の家の少女』といえば、「読後嫌な気分になった本ベスト10」を語る際には外せない一冊だ。

 しかもおそろしいことに、このポップが効果を挙げた現場を見てしまった。

 これらとは別の本を買って、レジでお金を払いながらふと隣を見ると、なんとケッチャムの本を買ってる人がいたのだ。『隣の家の少女』に『ロード・キル』、さらには『オンリー・チャイルド』まで。しかももう一冊買っていた。……相田みつをの本を。

 ケッチャムと相田みつを。もう、こんな組み合わせを目にすることは二度とないだろう。

 有隣堂某店に対しては、貴重なものを見せてもらったことを感謝すると同時に、いったい何を企んでいるのか、と問うておきたい。

 ……まあ、『モンスター・ドライヴイン』で泣いたような人間が何を言っても無駄かもしれないが。


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2003/06/23(月) 表紙買い

読書
CDを買うときに、ジャケットだけを見て、そのまま勢いで買ってしまうことがある。

それと同じように、表紙だけを見て買ってしまった本がある。私の場合、ジャケ買いはともかく、表紙買いには「当たり」が多いような気がする。

そんな「当たり」をいくつかご紹介しよう。

ミルクから逃げろ!

ASIN:4899980353 表紙もいいけど、牛乳瓶の形をしたしおりがついてるところがいい。戸梶圭太ばりのアイデア。

フィルス

ASIN:4901142100 表紙は赤、青、黄色の3バージョンあった。
 この本、諸般の事情でうちに2冊あったので、1冊を人にあげることにした。そこで先方に「青と黄色のどっちがいいですか」と聞いたところ、「青と黄色って?」と戸惑わせてしまった。
 ところで表紙のブタは、イギリスのおまわりさんの帽子をかぶっていたりする。これ、本国じゃちょっとした問題になったらしい。
 内容はといえば、股間に湿疹、腹にサナダムシを抱えた、お下劣刑事の鬼畜な日常。ところがどっこい、これが凄まじく泣かせる話なのだな。私にとっては1999年翻訳ものの最高傑作。

愛はいかがわしく

ISBN:4048970089 表紙はゴージャス。借金まみれのしょぼい詐欺師のお話を、こんな景気のいい表紙で飾ってみるというひねり方は好きだ。やっぱり、負け犬野郎の見果てぬ夢、なんだろうな。→詳細

バカなヤツらは皆殺し

ISBN:4562033053 男としてはちょっと嬉しいアングルに惹かれたわけじゃないけど、買ったその日に一気読み。こいつはこれまでに読んだ小説の中でも、確実にベスト10に入るだろう。表紙買いでそんな作品に出会えるってのは、とても運がよかったと思う。→詳細

驚異の発明家の形見函

ISBN:4488016359 いろいろな品が詰め込まれたこの箱が、どうやら「形見函」と呼ばれるものらしい。

 読んでみれば、これが実に内容に合った表紙であることが分かる。この形見函に配された品の一つ一つから紡ぎだされる、ある発明家の生涯。それはやがて、この形見函へと収斂してゆく。

 想像力を刺激してくれる表紙だ。

紙葉の家

ISBN:4789719685 表紙買いというよりはレイアウト買い。本屋で見かけたら、とにかくページを適当にパラパラとめくってみて欲しい。びっくりするから。

地獄のコウモリ軍団

ISBN:4105900153「モンティ・パイソン」に欠かせない、テリー・ギリアムのアニメを思い出した。内容も、モンティ・パイソンとはいささか流儀が異なるものの、やっぱりブラックユーモアがあふれている。毒気の効いた短編集だ。

けだもの

ISBN:4167527626すみません、表紙買いではありません。解説書きました。

ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」は、編集の方が画集を眺めていて「これだ!」とひらめいたとのこと。そういえば、この絵に描かれたサトゥルヌスの狂気は、ある登場人物の妄執にも重なるものがある。

The Twelve Forces―海と大地をてなずけた偉大なる俺たちの優雅な暮らしぶりに嫉妬しろ!

ISBN:4048732617これも表紙買いというよりは、むしろ作者買いな一冊である。
写真で見ても分からないけど、けっこう凝ったつくりなのだ。→詳細

戸梶圭太は、本のデザイン面にも気を配って、自分というブランドのイメージをきちんとコントロールしようとしている。この本に限らず、彼の著書に見られる装丁などの工夫からは、小説「だけ」に触れてきた人間には決して真似のできないセンスが感じられる。

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モンスター・ドライヴイン

ホラー
ISBN:4488717012ジョー・R・ランズデール / 創元SF文庫

ドライヴイン・シアターでB級ホラー映画を楽しんでいたぼくたち。そこに突然、怪しい光を放つ彗星が飛んできて、ドライヴイン・シアターごと異空間に閉じ込められてしまった! 果たして、ぼくたちはここから生きて出られるのか?

第一印象

初期のランズデールはスプラッタパンク寄りの作品も書いていた。閉鎖空間でのサバイバルを描いているという本書も、そのひとつかもしれない。最近の作品に見られるようなストレートな骨太さよりも、ひねくれたブラックユーモアが前面に出てきそうだ。

読み終えて

 表層の雰囲気はまさに予想通り。閉鎖空間での食と排泄にスポットを当てた物語は、進めば進むほど陰惨な暴力と黒い笑いに覆われてゆく。後半のポップコーン・キングの存在と、彼が放出するポップコーンの描写の気色悪さは秀逸。

 だが、底に流れているのはいたってまっとうな心情である。

 閉じ込められた観客たちは、わずかな食料をめぐって激しく争う。次第に人間性を喪失し、やがてはポップコーン・キングのような「怪物」にひれ伏してしまう。

 そんなふうに狂ってゆく群衆の中で、ぎりぎりの試練にさらされながら、なんとか理性を保ちつづけようとする主人公の姿が心に残る。表面的にはまったくタフには見えないのだが、その内なる強さが胸を打つ。マス・ヒステリーのなかで、ひとり冷静さを保つ。それは困難なことだし、時には危険ですらある。

 まさかこんな本を読んで目に涙しようとは思わなかった。

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