メッセージ欄
2004年5月の日記
▼ 馬鹿★テキサス
【ミステリ】
ベン・レーダー / ハヤカワ・ミステリ文庫
馬も四本足、鹿も四本足。そしてこの本に出てくる最高の馬鹿も四本足。正確には二本足の馬鹿が二人。
舞台はテキサスの田舎。冒頭、馬鹿コンビが鹿を撃つ。ところが獲物を検分してみると鹿じゃなかった。鹿の着ぐるみを着て鹿の観察をしていた動物学者だったのだ。これが事件の幕開け。最初から馬鹿エンジン全開だ。
いい奴と悪い奴、そして馬鹿な奴が出てくる。いい奴が悪い奴の犯罪を暴くという内容だが、物語を前に進めるのは馬鹿な奴らだ。馬鹿な奴らがやらなくていいことをやったり、やるべきことをやらなかったりして、いろんな物事が狂ってゆく。
もちろん、これは悪い奴が懲らしめられる話だ。だから、無事に一件落着する方向に収束してゆく。おさまりのつかないまま暴走してゆくのも面白いけど、そうなると人には薦めにくい。でも、これなら安心だ。
落ち着くべきところに落ち着くとはいえ、収束のしかたはずいぶんマヌケだ。なにしろ悪い奴らは、馬鹿な奴らのせいで実にマヌケな仕打ちを受けるのだから。
原題は"Buck Fever"。邦題は「馬鹿フィーバー」でもよかったのに……と思ったけど、早川書房の中の人があんまりだと思ったのだろう。ふざけた本を出版してるけど、きっと根はまじめな人たちに違いない。
残念ながら馬は登場しない。これは鹿ミステリなのだ。アメリカの作家に、漢語の字面にまで配慮を求めるのは無理というものだ。
馬鹿ミステリを所望の方はディック・フランシスあたりを併読するといいだろう。
追記:早川書房の中の人によると、この邦題は『パリ、テキサス』を意識したらしい。馬鹿はパリだったのか……
2008/01/03追記:そういえば同じ早川書房の『CLAW 爪』の帯には「猛虎襲来」と書いてあったけど、あれはもしかして「蒙古襲来」をイメージしたのだろうか。何となく同じ思考回路の産物のような気がする。
馬も四本足、鹿も四本足。そしてこの本に出てくる最高の馬鹿も四本足。正確には二本足の馬鹿が二人。
舞台はテキサスの田舎。冒頭、馬鹿コンビが鹿を撃つ。ところが獲物を検分してみると鹿じゃなかった。鹿の着ぐるみを着て鹿の観察をしていた動物学者だったのだ。これが事件の幕開け。最初から馬鹿エンジン全開だ。
いい奴と悪い奴、そして馬鹿な奴が出てくる。いい奴が悪い奴の犯罪を暴くという内容だが、物語を前に進めるのは馬鹿な奴らだ。馬鹿な奴らがやらなくていいことをやったり、やるべきことをやらなかったりして、いろんな物事が狂ってゆく。
もちろん、これは悪い奴が懲らしめられる話だ。だから、無事に一件落着する方向に収束してゆく。おさまりのつかないまま暴走してゆくのも面白いけど、そうなると人には薦めにくい。でも、これなら安心だ。
落ち着くべきところに落ち着くとはいえ、収束のしかたはずいぶんマヌケだ。なにしろ悪い奴らは、馬鹿な奴らのせいで実にマヌケな仕打ちを受けるのだから。
原題は"Buck Fever"。邦題は「馬鹿フィーバー」でもよかったのに……と思ったけど、早川書房の中の人があんまりだと思ったのだろう。ふざけた本を出版してるけど、きっと根はまじめな人たちに違いない。
残念ながら馬は登場しない。これは鹿ミステリなのだ。アメリカの作家に、漢語の字面にまで配慮を求めるのは無理というものだ。
馬鹿ミステリを所望の方はディック・フランシスあたりを併読するといいだろう。
追記:早川書房の中の人によると、この邦題は『パリ、テキサス』を意識したらしい。馬鹿はパリだったのか……
2008/01/03追記:そういえば同じ早川書房の『CLAW 爪』の帯には「猛虎襲来」と書いてあったけど、あれはもしかして「蒙古襲来」をイメージしたのだろうか。何となく同じ思考回路の産物のような気がする。
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▼ 2004/05/25(火)
【日常】
■横溝正史ミステリ大賞贈呈式
様子は、会場で「なんでここはビールが少ないんだよう」と悲しんでいた杉江松恋さんのレポートに詳しい。氏の名誉のためにつけ加えておくと、暴れたりものを壊したりはしませんでした。
受賞したのはこの2作品。
大賞受賞の村崎友とは、実は学生のころにミス連で付き合いがあった。ここ数年は疎遠だったけれど、こんなふうに再会できるというのは嬉しいものだ。
式の後は、飲み足りなかった人々が集まって中華の店で二次会。
なんだか川出正樹さんとしきりに【自主規制】の話をしていたような気がする。といっても、受賞作に【自主規制】が描かれていたわけではない。『迷宮の暗殺者』が激烈な【自主規制】ミステリーだったのだ。
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▼ 2004/05/21(金)
【日常】
■で、今日は
『荊の城』上 下を読む。年端も行かぬ娘さんにあんなことやこんなことをさせてしまういけない小説で、上下2冊を一息に読んでしまった。結末はとってもキュート。『犬は勘定に入れません』が清く正しい表ヴィクトリア朝小説とするなら、こちらは汚れた邪悪な裏ヴィクトリア朝小説だ。
ああ、もうこんな時間に……。
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▼ 2004/05/19(水)
【日常】
■バーディンな一日
『死を呼ぶペルシュロン』はなんだか困ってしまう話だった。
思わず『殺意のシナリオ』も読み返す。
『悪魔に食われろ青尾蝿』も読み返そうと思ったけど、部屋のどこかに埋もれていて見つからない……
そんなバーディンな一日でした。
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