M.G.H. 楽園の鏡像

M.G.H. 楽園の鏡像 三雲岳斗 / 徳間デュアル文庫

某原稿のために再読。

時は近未来、舞台は宇宙ステーション。被害者は、どうやって無重力空間で墜落死したのか──という謎を軸に展開される物語。

この手のミステリには珍しく、解決シーンにたどり着く前にトリックが分かってしまった。もっとも、そのせいで評価が下がるなんてことはなく、「それをやりたかったのか!」と嬉しくなってしまった記憶がある。大がかりな舞台装置でありながら、仕掛けは単純そのもの。こういう稚気をみせられると、少々の傷は気にならなくなる。

また、主人公の男女が宇宙ステーションにやってくる経緯(新婚夫婦向けの宇宙ステーション無料招待を手にするためにとりあえず結婚してみた)が、ある種のミスディレクションになっているところも好印象。

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