投稿者「古山裕樹」のアーカイブ

六番目の空耳と、読めなかった陰謀小説

恩田陸、という作家の名を初めて知ったのは、たしか誰かとの会話だった。ただ恩田陸という人のこういう題名の本が面白かったよ、というだけで、その時はたまたま内容については何も聞かなかった。 その題名を、なぜか『六番目の左翼』と … 続きを読む

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24年目の七胴落とし 

『メアリー・ポピンズ』の一編に、赤ちゃんは動物と会話できるけれど、成長とともにその力を失ってしまう、という話があった。 神林長平『七胴落とし』に描かれる構図とよく似ている。 『七胴落とし』は24年ぶりの再読である。 最後 … 続きを読む

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このミス大賞下読み、あるいは無意識の女嫌い

先日、このミス大賞授賞式で「歴代受賞者(+隠し球)って、大半が男性だね」という話をしていた。 そういえば、この賞では下読みから最終選考まで、全員男である。なんとなく、女性の作品が選ばれにくくなる傾向があるのかもしれない。 … 続きを読む

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第12回このミス大賞

今日は授賞式。 受賞した二作を、当日までに読み終えた。 『一千兆円の身代金』  大物政治家の孫が誘拐される。犯人から政府への要求は、日本の財政赤字と同額の身代金だった……という派手な事件で始まる誘拐もの。  良くも悪くも … 続きを読む

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流れよわが音楽、とスパイは言った

ジョン・ル・カレのスマイリー三部作。英国情報部のスマイリーと、ソ連のカーラとの対決をしめくくる第三部『スマイリーと仲間たち』では、スマイリーがかつて妻に贈ったライターが、物語の演出として印象深く使われている。 フィクショ … 続きを読む

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グランド・イリュージョン──違法の騎士/異邦の既視

映画館に行って強引な力技に騙されてきた。 フォー・ホースメン(黙示録の四騎士)を名乗るマジシャンたちが、到底不可能としか思えない状況で大金を奪ってみせる。 何とか彼らの尻尾をつかもうとするFBIは、手品の種明かしを生業と … 続きを読む

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皆勤の徒 / 酉島伝法 ──異質な体系の快楽

 高校生のころに教えられた英文読解技術のひとつに、 「頭の中で日本語に置き換えるな」 というものがあった。  日本語に引き寄せるという手順を通さずに、自分が英語の体系の側に飛び込んで、英語の体系の中で文意をつかみ取る。分 … 続きを読む

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ここ1年のベスト10

各種年間ベスト選びの回答も一段落、自分の回答はだいたいこんな内容(なお、順位はアンケート回答時の気分で多少変動しています)。 ■海外 『遮断地区』ミネット・ウォルターズ 『11/22/63』スティーヴン・キング 『予期せ … 続きを読む

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ブラインドサイト/ピーター・ワッツ──あるいは、興奮の裏表紙

これが読まずにいられるだろうか。上巻の裏表紙から。 突如地球を包囲した65536個の流星の正体は、異星からの探査機だった。調査のため出発した宇宙船に乗り組むのは、吸血鬼、四重人格の言語学者、感覚器官を機械化した生物学者、 … 続きを読む

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ポケミス全点展示

早川書房で開催中の「ポケミス全点展示」を見に行った。 101『 大いなる殺人』から1875『カルニヴィア1』 まで、千数百冊の本の表紙がずらりと並んでいるだけなのだが、これで十分に見応えがあった。 最初に自分で買って読ん … 続きを読む

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