未完のモザイク

ASIN:4576090046 ジュリオ・レオーニ (著), 鈴木 恵 (翻訳)

中世のフィレンツェを舞台に、執政官のひとりに任じられた詩人ダンテが探偵役を務めるミステリ。
モザイクの名工が殺された謎を解く物語だが、印象に残るのは事件の捜査そのものよりも、フィレンツェに蠢くいくつもの陰謀。怪しげな学者たちが町の酒場に集い、エキゾチックな踊り子もなにやら秘密を抱えているようで、さらには異端の信奉者が暗躍し、ローマ教皇庁がなにやら企んでいる……という、不穏な気配が物語の魅力を生み出している。

終盤に見られる大風呂敷の広げっぷりもなかなか凄い。クライブ・カッスラーかと思ったよ。
詳しくは2月末刊行のミステリマガジン4月号で。

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