2006-04-17

4/16の日記として以下の文章を読まれた方へ

ごめんなさい。日付間違えてました。

映画「陽気なギャングが地球を回す」試写会

ガイドブックにちょっと犯罪小説の紹介など書いたのがきっかけで、試写会に行ってきた。キャスト舞台挨拶あり。鈴木京香綺麗。

誇張された派手な表現が楽しい映画だった。演説男・響野(佐藤浩市)が長広舌をふるうさまもしっかり作られていて(銀行襲撃シーン、本当にずっと喋っている)、映画化されたら見たい場面だっただけに満足。

原作との違いで目についたのは、雪子の扱い。原作同様「体内時計の持ち主」なんだけど、映画ではまさに「豪腕ドライバー」そのもの(CG使いまくったカーアクションが多いのですね)。まあ、「体内時計」ってのは映像では扱いにくいのかもしれない。

勢いに任せて細部の辻褄をごまかしちゃったところもあるけれど、まずは原作同様、軽妙にして洒脱なものに仕上がっている。

そういえば、原作のあとがきにこう書かれていた。

ISBN:4396332688

 九十分くらいの映画が好きです。

そのくらいの長さで、

 あまり頭を使わないで済む内容であれば、そちらのほうが好ましいです。(中略)現実味や社会性というものはあってもいいですが、なかったからと言ってあまり気になりません。

まさしくそういう映画でありました。

ちなみに映画のガイドブックはこちら。

ISBN:4396632630

これから見ようという方がこの本を入手された場合は、映画を見るまで帯を外さないように(外してもいいけどその下は見ないように)気をつけてくださいね。

何はともあれ鈴木京香綺麗。

[]荒ぶる血 / ジェイムズ・カルロス・ブレイク

ペンチという道具がいかに兇悪かを世に知らしめた快作『無頼の掟』の作者による新作。

ISBN:4167705206

ギャングの映画を見た後だからな! 

[]トーキョー・プリズン / 柳広司

ISBN:4048736760

終戦間もない巣鴨プリズンで起きた密室殺人。アメリカ人私立探偵と、収監された日本人戦犯が事件の謎を追う……

先日のミス連で杉江松恋氏が絶賛していた。

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2006-04-16

映画の試写会が云々というのは

4/17のできごとなので移動しました。

ちなみにこの日は

小説すばる新人賞の応募原稿など読みながら過ごしました。

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2006-04-15

ミス連

mixiで杉江松恋氏の日記を見て今日だったことを思い出す。四月はなんだかんだで人が多いものだけど、ワセミスの新歓と重なったようで、空前の少人数だった。

[]コーデックス / レヴ・グロスマン

ISBN:4789728331

銀行員のエドワードは、なぜか公爵家の蔵書を整理することに。さらに、友人からもらった謎めいたコンピュータゲームに引き込まれてゆく……。

以下、内容とは関係ないけれど……

いいかげん、何でもかんでも『ダ・ヴィンチ・コード』を絡めるのはやめた方がいいんじゃないかと思いました。「『ダ・ヴィンチ・コード』を凌ぐ」とか帯に書くと本が売れるわけでもないだろうに(それとも売れるのか?)。

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2006-04-12

またしても

忙しさに負けてしまいましたが、無事生きています。

小説すばる

今年も下読み中です。

[]万物の尺度を求めて / ケン・オールダー

ISBN:4152086645

「1メートル」という長さの単位を測量した人々の物語。メートル法は地球の大きさを基準としているので、地球のサイズを(当時の技術で)緻密に測定しなくてはならない。というわけで二人の学者がフランス各地で諸々の測量を行うわけだが……よりによって当時はフランス革命に始まる激動の時代。

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2006-03-24

[]プルトニウム・ブロンド / ジョン・ザコーアー&ローレンス・ゲイネム

たいへんくだらない話で、実に素晴らしい。

ISBN:4150115494

主人公は地球最後の私立探偵。相棒はジーヴス気取りのスーパーコンピュータ。そして依頼人は大富豪の美女。亡夫が密かに造らせた、彼女そっくりのアンドロイドを見つけ出してほしいというのだ。だが、そのアンドロイドは原子力で動き、人間の150倍の怪力と176倍の耐久力と200倍の反射神経(と金髪と巨乳)を備えているのだ!

間の抜けた大仰さがおかしさを醸し出す。しかもクライマックスではもちろん人類の危機を救うのだ! 久しぶりに読んだ私立探偵小説がこんなのですよ。うう。

ちなみに秘書は超能力者……だが、出番が少ないのがもったいないところ。

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2006-03-21

トーテム[完全版] / デイヴィッド・マレル

ISBN:4488157025
ISBN:4488157033

先月解説を書いた本。かつてハヤカワ文庫NVから出ていたものは諸般の事情でいろいろ削られたバージョンでありまして、本書こそがもともとマレルが書こうとしていたもの。こうしてみると、どこを切ってもマレル色な作品である。

「マレル入魂の冒険小説」だったりするので、旧版を読んだ方もそうでない方もひとつよろしくお願いします。

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2006-03-18

ミス連

出席者は全部で10人くらい。来月だけ新歓バブルで人が多くなるとかならないとか。

主な登場人物

その席上でちょっと話題になったのが、翻訳物にはたいてい載っている「登場人物一覧」。アレは原書に載っているものではないので、日本側で本を作るときに誰かが作っているわけだ。

大変な作業だと思う。誰を載せて誰を載せないかという取捨選択も悩ましいところだし、どう紹介するかも難しい。特にミステリの場合、下手に正確なことを書くとネタばらしになりかねない。

たとえばロス・マクドナルドだと、「○○○……△△△の父親」なんて登場人物一覧に書かれていても、読んでみると実は叔父でしたとか、どうかすると実は夫でしたなんていう凄まじい展開も珍しくない。

そういえばディーン・R・クーンツの『ライトニング』みたいに、登場人物一覧にとんでもない人名が載っているせいで、なんとなく後の展開を想像できてしまうという不幸なケースも存在する。お話としては大変面白いものだけにもったいない(アレを読むときは登場人物一覧を見ないようにしましょう)。

登場人物一覧に手間がかかっているといえば、キム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』シリーズの人物事典。なにしろ実在の人物はもちろん、さまざまなフィクションの登場人物が大挙登場するので、出典を探すだけでも一苦労だろう。しかも文中の人名だけマークしていればいいというものではなく、名前が出てこないけれど実は有名人、というケースもある(チョビ髭を生やしたドイツ軍の伍長とか)。

近年のもので印象深かったのは、マイケル・スレイド『暗黒大陸の悪霊』。登場人物一覧に、なぜかそれぞれの人種まで書かれていたのだ(白人/黒人/その他に分けられていた)。なんだこれはと怪訝に思いながら読み進めるうちに、その必然性が浮かび上がってきたときには心を揺さぶられた。まさかそんな理由で人種を載せていたなんて!

各社の翻訳書で登場人物一覧を作られている皆様、ほんとうにお疲れ様です。

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2006-03-15

推理作家協会賞短編部門

候補作選定のため推理作家協会へ。前回は「受賞作なし」だったけど、今回はどれか受賞しますように。

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2006-03-12

ミステリマガジン新刊評

今回はこの4冊。

ISBN:4336047367

ISBN:4150411085

ISBN:4846006557

ISBN:4594051197

『デス博士の島~』を何度も読んでいたせいで原稿が遅れてしまった。毎度のことながら申し訳ございません。何度も読み返したくなるようなものを書くジーン・ウルフが悪いんです(ということにしておこう)。

確定申告

3/14に慌てて書類を書いていた例年に比べると、こんなに余裕を持って準備できたのはかなりの進歩である。

経費を計算するついでに、去年どのくらい本を買ったのか数えてみた。そういえば一年の間にどのくらい本を買ってどのくらい読むのかなんて、数えたことがない。ここを使って買った本や読んだ本についてまともに記録してみよう……と思ったものの、1ヶ月もしないうちに破綻している。ちゃんと記録されてるのは半分くらいだろうか。うーん。

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2006-03-04

[]漂流爆弾 / リーアム・キャラナン

いわゆる冒険小説ではなかったけれど、変わった印象を残す小説として楽しめた。

第二次大戦末期のアラスカを舞台にした戦争小説ではあるのだけれど、「敵」の姿がほとんど描かれない。なにしろ主人公は不発弾処理要員、彼が追うのは日本軍の風船爆弾なのだ。

「敵」の姿が曖昧な戦争小説は他にもあるけれど、それもたいていは軍隊という組織を描いている。が、この本にはそれもない。組織としての軍隊の姿は希薄で、物語は主人公とエキセントリックな上官と謎めいた占い師の女との三角関係を軸に語られる。

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