2005-12-30

昨日飲み過ぎた

というわけで今日はおとなしく過ごす。

[] 地を穿つ魔 / ブライアン・ラムレイ

ISBN:4488589022

訳者の方から送っていただきました。ありがとうございました。

ヨーロッパ各地で相次ぐ群発地震。その影には人知を越えた存在が潜んでいる──クトゥルー眷属邪神群に、禁断の知識をもって立ち向かうオカルティスト、タイタス・クロウの活躍を描くシリーズ作品。クトゥルー神話に派手な活劇要素を持ち込む手法のはしりである。

ちなみにこのシリーズ、先に短編集が訳されている。

ISBN:4488589014

同文庫の「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」を意識したかのような邦題だが、実際この本でのタイタス・クロウはまさに名探偵。オカルティックな世界の論理に従って謎を解き明かすのだ。

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2005-12-29

移転元のサイトに

こちらへのリンクを張った。

当面は元のサイトのデータも残しておくつもりです。

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2005-12-28

韓国の大学入試の風景

http://www.asahi.com/international/update/1228/009.html

拳を固めて何か叫んでいる半裸の若者たち。とても大学入試の風景には見えないのだが、いったい何をしているのだろう?

[]〈亡霊国家ソヴィエト〉を倒せ / ブラッド・ソー

ISBN:4150411026

「もし冷戦が終わってなかったら? あるいは終わったとわれわれは考えたが、ソヴィエトは死んだふりをしているだけだったら?」

というわけで、ひそかに力を蓄えた秘密組織「新ソヴィエト社会主義共和国連合」がアメリカに牙を剥く……というアクションもの。

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2005-12-27

[]眠れる人の島 / エドモンド・ハミルトン

往年のパルプマガジンらしい味わいに満ちた作品集。

忘年会

遅くまで大いに楽しく飲んだことである。

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2005-12-26

[]眠れる人の島 / エドモンド・ハミルトン

ISBN:4488637043

SF作家として知られるハミルトンの、初期の幻想怪奇作品集。秘境冒険ものを中心に、ファンタジーやオカルト探偵ものを収録しているようだ。いずれも初出は「ウィアード・テールズ」。

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サイト移転

移転しました

……と移転先に書いてもあまり意味がないのだが。

移転ついでに

 このへんも変えてみた。

#topicsのエンジンをYukiWikiからHikiに変更

#2002年~2004年の日記をYukiWikiからtDiaryに移行

 YukiWikiに何か不満があったわけではない。そもそもスクリプトのあちこちをいじって「俺専用」にしていたので、何か困ることがあっても自分のせいではないかという気もする。

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あるいは閉ざされた小さな場所。

 江戸川乱歩は閉ざされた小さな場所に独特の偏愛を抱いていたようで、「人間椅子」なんてのはその好例。あの話は、他の作家が書いてもあれほど面白くはならなかったんじゃないか、と思う。

 そういえばミステリで好まれる「密室」というシチュエーションも閉ざされた小さな場所であり、それを意識した作品も少なくない。最も記憶に残っているのは、ペール・ヴァールー&マイ・シューヴァルの『密室』。ある中年刑事の捜査活動を追う物語で、謎解き重視の作品ではない。だが、ここに描かれる密室は、単なる事件現場ではなく、社会そのものの閉塞感とも重なり合う。深く憂鬱な余韻を残す作品だ。

 そんな、閉所恐怖症の人にはオススメできない小説をいくつか思い出したので挙げておこう。 

『魍魎の匣』京極夏彦

魍魎の匣箱の中はみっしり詰まっているべきである、というテーゼを確立した名作。

『箱男』安部公房

箱男段ボール箱をかぶって生活する男の話……としか説明しようがない。登場人物の看護婦さんがどうにもえっちでよいです。

『箱のなかのユダヤ人』トマス・モラン

箱のなかのユダヤ人 第二次大戦下、オーストリアの田舎。ぼくの家は、恩のあるユダヤ人医師を屋根裏の「箱」にかくまうことにした……閉鎖空間でのドラマが魅力。

『箱の女』G・K・ウオリ

箱の女
 原題は”American Outrage”。事故で箱の中に三日間閉じ込められた女性の変容を軸に、現代アメリカのさまざまな面を浮き彫りにする。ニューイングランドの田舎を舞台にして、土俗的な味わいが濃い。

『地下室の箱』ジャック・ケッチャム

地下室の箱
 異常者に拉致され、地下室の箱に閉じ込められた女性の話。元気になれる鬼畜小説。→詳細

「人間椅子」江戸川乱歩

人間椅子w/ヤン・シュヴァンクマイエル
 短い中にも、乱歩の変態ぶりが遺憾なく発揮された名品。(amazonで検索)

「早すぎた埋葬」エドガー・アラン・ポオ

生きているうちに埋葬されてしまう、という恐怖(『ポオ小説全集3』などに収録)。

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マンハッタン市街戦

スティーヴン・マーティン・コーエン / 創元ノヴェルズ

 1991年、湾岸戦争が勃発したころのニューヨーク。この街に潜入していた3人のイラク人工作員が活動を開始した。人々が集まる場所に次々と爆弾が仕掛けられ、街は戦場と化す。

 彼らを狩り立てるのは──休職中だった敏腕刑事に、粗暴な爆発物専門家、そして謎の多いFBI捜査官。バグダッドの戦争に並行して繰り広げられる、ニューヨークでの戦争の行方はいかに?

 1997年の作品。都市を狙ったテロ、という素材のあまりにお気楽な扱い方に、9.11以前ならではの大らかさを感じる。もちろんアラブの大義だのアメリカの正義だのはどうでもよくて(なにしろ作者はこの作品をガイ・フォークスに捧げているのだ)、爆弾を仕掛ける3人と、それを追う3人との対決をアクション映画風に描いている。

 題材の扱いかたがお気楽に見えてしまうのは、緊迫したアクションの合間にバカバカしい(あるいは品のない)ギャグを挿まずにいられないという、作者の因果な性癖によるものだろう。

 特にカーチェイスの場面は爆笑モノ。行く手をさえぎるのは、愛と平和を説くハレ・クリシュナの信者の一団だったりするのだ。追う側も追われる側も、ハレ・クリシュナの皆さんを平気で巻き添えにして銃撃戦を始めてしまう。

 そういえば、作中に登場する映像解析システムは、ハーポとチコとグルーチョという名前の3台のコンピュータで構成されているのだ。根っからのギャグ好きであろう。

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狼の帝国

[]狼の帝国 / ジャン・クリストフ・グランジェ

さっき読み終えた。たいへん興奮している。

ISBN:448821407X

ついこの間まで「今年のベスト」を選んでいたわけだが、これは来年のベスト有力候補だと断言してしまうくらいに興奮している。

『クリムゾン・リバー』の机の並べ方に随喜の涙を流した人、『コウノトリの道』は面白いけどまともすぎやしないかと思った人には、心の底からお薦めしたい(どっちも自分のことだ)。

彼は自分がスポンサーよりも抜け目がないと思い込んでいた。操られるのではなく、操ることができると思い込んでいたのだ。(p.303)

そうなっていたかもしれない。二〇〇一年九月十一日のことがなければ。(p.316)

……という文章からもうかがえるように、マクロなスケールの妄想と、個人レベルの不安感とが綺麗に重なり合う、きわめて水準の高い陰謀小説である。

このへんもあわせて読むといいだろう。

特に『陰謀と幻想の~』を先に読んでおくと、例えば次のような一節に激しく興奮できる。

〈灰色の狼〉はその失われた大陸を夢見ているのです。(p.443)

すごいよこれは。どうしましょうか。

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DVDなど見て過ごす

チーム・アメリカ

ISBN:B000BEYC7M

 某氏から「ぜひ見た方がいい」「というか、どうしてまだ見てないんですか!」と叱責されるような勢いで薦められた。

 ルーブル美術館やピラミッドを吹き飛ばしながらテロと戦うチーム・アメリカの物語。彼らの行く手を阻むのは、リベラルなハリウッド・スターたちにマイケル・ムーア。そして真の黒幕は……金正日!

 コメディとして非常に楽しめた。政治的な立場に関係なく、なんでも笑いの対象にしてしまう爆走ぶりがすばらしい。下品さのぶち込み方もよい。

 ちなみに、金正日は絵に描いたような悪の将軍様として活躍する。金正日といえば韓国から映画監督を拉致して怪獣映画を撮るくらいの映画好きであり、ここまで映画の中で大活躍させてもらえたのだから本望だろう。

 ところで、作中で開催される国際式典には日本の代表も出席しているのだが、これって天皇陛下かなあ?

満州帝国崩壊 -ソビエト進軍1945-

ISBN:B000AHQFSE

1982年のソ連映画。1945年8月、満州に侵攻したソ連軍と日本軍の戦いを描く。……といってもプロパガンダ色は意外と希薄で、娯楽性が強い。

 素人考えだと、昭和20年の日本軍なんてもはや戦争どころではないようにも感じられるのだが、作中ではけっこう健闘してソ連軍を苦しめていたりする。ソ連側の補給の痛いところを突いてみたり。自分たちは補給を軽視していたわりに、他人の補給には敏感なのだ。

 ちょっとおかしかったのが、ソ連軍に捕らえられた日本兵。彼は日本語で「万歳日本! 万歳日本! 花は桜木(?)、人は武士!」などと叫んでいて、士官が通訳に「彼は何と言っている?」と尋ねると、通訳は「大日本帝国は不滅だ、と」……往年のアカデミー出版みたいな超訳である。

 ほか、セミョーノフ軍の残党なんてのが出てくるのには少し驚いた。セミョーノフ軍って、ロシア革命の時の反革命側の部隊ではなかったか。ちなみに私は白系ロシアというとすぐに「聖アレキセイ寺院の惨劇」を思い浮かべる、引き出しの少ない人間である。

 T34がバカみたいに出てくるのでその筋の人にはおすすめ。

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