幻のハリウッド

ASIN:4488598013 デイヴィッド・アンブローズ / 創元推理文庫

題名どおり、ハリウッドを舞台に起こる奇妙な物語を収めた短編集。

収録作

生きる伝説

フィリップ・K・ディックの短編を連想させる。最後の一行のダブル・ミーニングが効いている。

ハリウッドの嘘

O・ヘンリーばりの「いい話」を、ぐいっとねじ曲げてみせた。善意がもたらす悲喜劇を描いた、残酷にして暖かい一編。

リメンバー・ミー?

名優たちの幽霊といえば、『冷たい心の谷』にも登場していた。題材そのものは、アメリカではかなりポピュラーな都市伝説らしい。ヒーローやアイドルの不滅を願う心理から生まれたのだろうか。「源義経がジンギスカンになった」という説を思い出す。

へぼ作家

最後の一行がフレドリック・ブラウンの短編を連想させる。もしブラウンが、パソコンが普及した時代に活躍していたら、真っ先にこういう短編を書いていたんじゃないだろうか。

名前の出せない有名人

スタンダードな物語を、奇抜なシチュエーションのもとで描く小説がある。ありがちなハードボイルド私立探偵がナチ支配下のベルリンで活躍する『偽りの街』とか、あるいはハイジャックされた飛行機という閉鎖空間での殺人捜査を描く石持浅海『月の扉』なんかもそのくちだろう。で、この作品もそれ。ふつうの恋愛小説なんだけど、男はポルノ男優、女はポルノ女優という設定が話をおもしろくしている。

ぼくの幽霊が歌ってる

短編小説でなければできない幻惑の語り。『冷たい心の谷』にも描かれた虚飾の世界の一面が、「虚飾」を虚飾と感じない男の口から語られる。

ハリウッド貴族

小粒でぴりりと辛い犯罪小説。

カテゴリー: 小説 | 1件のコメント

2003-12-19

仕事関係の本ばかり読んでいたせいで

『ジェニファー・ガバメント』は進まず。

職場にて、

スペンサー・シリーズの文庫を全部読んでる人がいたことを知る。当然『チャンス』も読んだとのこと。

新宿にて忘年会。

結局朝まで6人くらい残っていた。またしても例の面々が残っていたことは言うまでもない。

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2003-12-15

並行して

幻のハリウッド』を読み始める。

「リメンバー・ミー?」はなかなか好みの話。語り手がアレだから、という理由だけではないです。

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2003-12-14

この狂った世界

杉江松恋氏が息を荒くして推奨していた『ジェニファー・ガバメント』を読み始める。

まだ始めの方しか読んでないけど、背景世界の狂いっぷりは戸梶圭太『さくらインテリーズ』終盤や、フレデリック・ベグベデ『¥999』を連想させる。

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2003-12-13

飲みに行く

夜は早慶交歓会……という名称であちこちの大学のミステリ関連のクラブのメンバーやOBなどが入り乱れる会に。慶応の学生なんてほとんど見かけなかったのだが。

今日もまた杉江松恋/福井健太/与儀明子と遅くまで深酒。

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2003-12-12

「ユダヤ人陰謀説」

という件名のメールが届いて驚く。

このメールをきっかけにソロモン王の秘宝と日本人の起源とアメリカの中東政策にかかわる巨大な陰謀に巻き込まれたりすると大変なのだが、もちろんそんなことはなく、ある古書店からの「注文してた本を発送したからよろしくね」というお知らせだった。

どういう本を注文したのかは推して知るべし。ちなみに私は陰謀理論の本を読むのは大好きだが信奉者ではない。念のため。

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2003-12-11

短編ミステリふう

ISBN:4622050315

をパラパラめくっていた。おしまい近くに、インド人の少女が自殺するエピソードが語られる。彼女はなぜか生理が始まるのを待って自殺するのだが、その理由がちょっとした短編ミステリになりそうな面白いもの(ってのも不謹慎だが)だった。……もちろん、そういう趣旨の本ではないのだが。

情報保護

職場は最近にわかに情報漏洩に対するガードが強化されてきた。それは結構なことではあるのだが、その余波でPDAの類も原則として持ち込み禁止になってしまったのには参った。PDAを使うというのは脳の一部を外付けにするようなものなので、禁じられると仕事の効率が著しく低下しそうである。このへんの感覚は、使ったことのある人でないと分かってもらえないだろうなあ。

……しかし、携帯電話についてなにも触れないのは片手落ちではないのか。

欺術』なんかを読むと、なんか微妙に対策がずれてるような気がしなくもない。

ISBN:479732158X

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家守

歌野晶午 / カッパ・ノベルス

「家」に対するオブセッションをテーマにした5編を収録。

世間で評判の『葉桜の季節に君を想うということ』はどうにも物足りなかったのだが、こちらは楽しく読むことができた。

収録作

人形師の家

島田荘司の推薦で世に出た作者だが、その推薦者の「血筋」を感じさせる一編。仕掛けだけ抜き出して説明すると実に馬鹿馬鹿しい話ではあるのだが、脇を支える物語の持つネガティヴな空気と、人形そのものが持つ不気味さとが重なって、独特の雰囲気を作り上げている。

家守

同時期デビューの綾辻行人らに比べるとミステリマニアらしさを感じさせない作者だが(実際、マニアではないのだろう)、この作品の密室はカーター・ディクスンの某作品を強く連想させる。ただし残念ながら、この密室の謎解きが「家」そのものの秘密とリンクしておらず、しかも「家」の秘密も長年隠し通せるものとは思えず、演出不足の印象をぬぐえない。表題作ではあるが、5編の中では一番見劣りしてしまう。

埴生の宿

5編の中では最も気に入ったのがこれ。物理的な仕掛けが、登場人物の「家への妄執」と強固に結びついていて、ちょっとした戦慄を感じさせる。稚気あふれる仕掛けが存在しうるシチュエーションを考えた結果生まれた物語にも見えるが、どこかフィリップ・K・ディックの短編に通じるものがある。

西日本の山奥、住人のほとんどが二つの家のどちらかに属している--となると両家の対立なんぞを期待しがちだが、そんなこともなくのんびりした平和な村が舞台。明かされる真相も人情話めいているのだが、どこか背筋を冷たくさせるものがある。「埴生の宿」に次いで、本書で気に入った作品。

転居先不明

作中に語られる二つの事件が、内容的にまったくつながっていないという弱点は表題作と同じ。ただしそれが不満につながらないのは、内容とは別のかたちで二つが関連づけられているからだ(そのせいで構成はぎくしゃくしているのだが)。それに加えて、典型的ではありながらも鮮やかなしめくくりも好印象。

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2003-12-10

ミステリ忘年会。

翻訳者の方々が中心になって開催されているパーティである。

小鷹信光さんによる乾杯の音頭は、笑っちゃいけないよなあ、と思いつつもけっこう笑わされた。昨年のこの忘年会の席が『リトル・シーザー』刊行のきっかけだったとは。

どこでどういう伝言ゲームが発生したのか不明だが、なぜだか私が結婚したという話になっていたらしく、大森望さんに「結婚したんだって?」と話しかけられたときはこちらが驚いた。いつの間に。

杉江松恋さんの日記には「賢く帰った」とあるけれど、実は電車を捕まえられず途中でタクシーのお世話に。賞与支給日ならではの暴挙である。

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2003-12-09

ボーナスの行く先

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/031208.html

おそらくボーナスの一部はここに吸い込まれてゆくことになりそう。

Windows XPでメモリが256MBまでというのが微妙に不安ではあるが。

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