冒険小説で読む第二次世界大戦

ミステリマガジン2007年10月号掲載のエッセイから、紹介した作品のリストだけ抽出。なお、タイトルに反して、本格ミステリも混じっています。

予兆:エチオピアとスペイン

  • ウィルバー・スミス『熱砂の三人
  • スティーヴン・ハンター『さらば、カタロニア戦線』

開戦前夜:ヨーロッパを覆う闇

開戦:フランスの崩壊

英国の戦い、アメリカの中立

大西洋の戦争:輸送船団とUボート

北アフリカ・地中海の戦争

ロシアの戦い

  • ダグラス・リーマン『黒海奇襲作戦
  • デイヴィッド・L・ロビンズ『鼠たちの戦争』
  • デイヴィッド・L・ロビンズ『クルスク大戦車戦』

終わりの始まり

ノルマンディ上陸(以降)

ドイツ降伏

カテゴリー: 冒険小説 | コメントする

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします。
……といいつつ、現時点ではまだ自サイト内からはリンクされていない状態。
更新通知pingを送る設定にしているので、どこからも見えないということはないはずだけど。

去年の日記は2/14でぱたりと止まっている。本業がやたらと忙しくなってしまい、今もそんな状態が続いている(まあ、年末年始は普通に休んでいるので、忙しいと言ってもたかが知れているのだが)。

久しぶりに会った人に「更新止まっちゃいましたねえ」と言われることも増えたので、CGIも入れ替えて、リハビリとして(?)再開してみる。

カテゴリー: 日常 | コメントする

無頼船長トラップ

ブライアン・キャリスン/ハヤカワ文庫NV

第二次大戦下の地中海。トラップ船長とその一味は、戦火をくぐり抜けてボロ船カロン号で密輸に励んでいた。だが、英国海軍の示した報酬に釣られて、北アフリカに向かう枢軸国の補給船を襲う任務を引き受けることに……。

強欲にして陰険、それでいながらなぜかうさんくさい連中に人望のあるトラップ船長のキャラクターが強烈。ひたすら己の利益を追求するトラップだが、人々が「国のため」に戦う時代に、徹底して「俺のため」に動くその姿にはある種の清々しさが漂う。

作者ブライアン・キャリスンはかつて商船に乗っていたせいか、どちらかといえば輸送船側が主役で、それを襲う通商破壊側が敵役、という図式の作品が多い。主人公が「襲う側」というのは珍しいのだが、彼らの乗るカロン号がとんでもないオンボロ船、というあたりでバランスを取っているようだ。

ちなみに、作中ではマルタ島の基地への大規模な物資輸送を試みたペデスタル作戦の様子が描かれており、だいたいの時期がうかがえる。

カテゴリー: 冒険小説 | コメントする

解説

これまでに書いた文庫解説。入稿時点のデータをもとにしているので、それ以降の修正は反映されていないことがあります。

※以下の解説は未掲載です。

  • 水没 青函トンネル殺人事件
  • メフィストの牢獄
  • 処刑者たち
  • トーテム[完全版]
カテゴリー: 小説 | コメントする

読書録

新刊&再読の記録。諸般の事情で、日付順には並んでいません。主に私の空き時間の都合で、かなり面白かった本でもここに紹介できなかったものは多く、反対にそれほどでもなかったけどここに挙げているものも少なくありません。
カテゴリー: 小説 | コメントする

2007-02-14

近況

気がつくと2月も半ば。最近は…

  • 某賞下読み
  • アフガニスタンのアレに続けて要塞の本を数冊読む(荒巻義雄の作品は読んでません)
  • シリーズものをまとめ買いしたため、本の置き場に苦慮

といった日々を過ごしております。

バレンタイン

勤務先でも儀礼的にチョコレートの授受がなされたわけですが、今年は生まれて初めて男性にチョコレートを渡しました。

  • 私と同じ部署で、ひとり他の事業部に常駐している♂がいる
  • たまたま出張でそこに出向くことになった
  • 同部署の女性陣から「これを渡してきて」と託された

という単なる伝書鳩で、これまでとは違う嗜好にめざめたとかそういうアレではありません。

とはいえ、こんな日に男性にチョコレートを渡すというのも希少な経験ではあるので書きとめておく次第。

カテゴリー: 日常 | コメントする

シャトゥーン ヒグマの森

[]増田俊成 / 宝島社

ISBN:4796656391 巨大にして獰猛、しかも狡猾。そんな地上最強の動物・ヒグマが、山小屋に逃げ込んだ人々を襲う。

 ヒグマと人間の死闘に的を絞った作品。飢えた野獣の、人間を圧倒する力の強さと、狩りに特化した知性の冴えが心に残る。

 ちなみに応募原稿の段階では、ヒロインの生い立ちにもドロドロしたエピソードが満載されていたのだが、書籍化に際してそのへんはばっさりカットされている。最初に読んだときよりも引き締まった感じ。

 それにしてもヒグマは強い。本書におけるその強さはもはや怪物と呼んでもいいだろう。怪物小説は大きく「でっかいのが一匹」と「ちっちゃいのがたくさん」に分けられるが、これは前者の傑作である。

カテゴリー: ミステリ | コメントする

Afghanistan Cave Complexes, 1979-2004

ISBN:184176776X 副題は“Mountain strongholds of the Mujahideen, Taliban & Al Qaeda”。アフガニスタンの山中で、古くはムジャヒディン、最近ではタリバンやアルカイダの皆さんがどんなふうに地下施設を活用してきたか、を簡単にまとめた一冊。米軍の洞窟での戦い方なんてのも載っている。

 地下施設の見取り図を眺めて思い浮かんだのは「ダンジョン」という言葉。昔遊んだRPGを思い出す。

 どういうわけか、国防長官だったころのD・ラムズフェルド氏の、星条旗をバックにした最高の笑顔&最高のポーズの写真も載っている。無駄にフォトジェニックである。

カテゴリー: Osprey | コメントする

何かとあわただしく

1/20付の記事も今日書いていたりする。

カテゴリー: 日常 | コメントする

第5回このミス大賞授賞式

気づいてみればもう5回目。1次選考で自分の箱に入っていた応募原稿が本になるのは第1回以来のことである。

シャトゥーン ヒグマの森』は「熊が襲ってくる」という、シンプルにして破壊力の強いテーマの物語(1次選考の評)。作者の増田氏が、受賞の一言として「ヒグマの強さを知ってもらいたくて書いた」ということをおっしゃっていて、深く納得した次第。

『暗闘士』は複数の策謀が並走する、複雑なドライヴ感のある物語(1次選考の評)。作者の高山氏からは、パーティ席上で次作のプロットなどをうかがうことができた。謀略が錯綜する形式は、「殺人」に頼るのを避けた結果とのこと。

そして、大賞受賞作は……→ブレイクスルー・トライアル

カテゴリー: 日常 | コメントする