▼ シャトゥーン ヒグマの森
【ミステリ】
■[このミス大賞]増田俊成 / 宝島社
巨大にして獰猛、しかも狡猾。そんな地上最強の動物・ヒグマが、山小屋に逃げ込んだ人々を襲う。ヒグマと人間の死闘に的を絞った作品。飢えた野獣の、人間を圧倒する力の強さと、狩りに特化した知性の冴えが心に残る。
ちなみに応募原稿の段階では、ヒロインの生い立ちにもドロドロしたエピソードが満載されていたのだが、書籍化に際してそのへんはばっさりカットされている。最初に読んだときよりも引き締まった感じ。
それにしてもヒグマは強い。本書におけるその強さはもはや怪物と呼んでもいいだろう。怪物小説は大きく「でっかいのが一匹」と「ちっちゃいのがたくさん」に分けられるが、これは前者の傑作である。
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第5回このミス大賞授賞式
Bookstack 気づいてみればもう5回目。1次選考で自分の箱に入っていた応募原稿が本になるのは第1回以来のことである。『シャトゥーン ヒグマの森』は「熊が襲ってくる」という、シンプルにして破壊力の強いテーマの物語(1次選考の評)。作者の増田氏が、受賞の一言として「ヒグマの...