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今ごろ日本ファンタジーノベル大賞の受賞作を読んでいる。『太陽の塔』と『象の棲む街』の二冊で、後者についてはそこに書いておいたとおり。『太陽の塔』は今読んでいるところだが、どうもファンタジーという方向には行きそうにない。現実を異化してしまう主人公の妄想力はなかなか強烈(で笑える)のだが。
そもそもこの賞、あまり「ファンタジー」という枠組みは重視していないようで、むしろジャンル小説の枠組みからは積極的にはみ出すものが高く評価されているようだ。受賞者や、選考のおしまいのほうまで残る人には、たぶんボルヘス好きが多いんじゃないかという印象がある。
とはいえ、応募原稿の中には、フォーマットに忠実な剣と魔法のお話なんてのも多いのかもしれないけれど。
ちなみに、私がいちばん気に入っている受賞作は宇月原晴明『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』。ヨーロッパという異界の存在を知って間もない戦国時代の日本、という魅力的な舞台もさることながら、幻想/妄想に基づいた史実の読み替えが鮮烈だ。明智光秀が本能寺の変を起こす、その奇想天外な動機ときたら!
これから読むもの・読み直すもの
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