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2005/06/
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1. 暴徒裁判
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1. マイケル・マーシャル / 死影
2. クライブ・カッスラー / オデッセイの脅威を暴け
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1. 「このミス大賞」
2. ジーヴズの事件簿 / P.G.ウッドハウス
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1. 半分読了
2. The Marine Art of GEOFF HUNT / Geoff Hunt
3. アルレッキーノの柩 / 真瀬もと (1)
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1. あるいは『誕生パーティの11人』
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1. 女刑事の死 / ロス・トーマス
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1. Musical Baton
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1. アルレッキーノの柩 / 真瀬もと (2) 読了
2. 雪中の奇跡 / 梅本弘 (1)
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1. ミステリマガジン8月号……というよりも犬の系図
2. 雪中の奇跡 / 梅本弘 (2) 読了
ここしばらく、通勤電車の中で本を読み、家では「このミス大賞」応募原稿を読む生活が続いている。
平日は帰りが遅いので、読むのは深夜。眠気に負けて中断することが多い。……が、睡眠時間を削ってでも最後まで読みたい作品に出会えることもあるのが嬉しいところ。こういうことがあるから、面倒だとわかっていても引き受けてしまうのだ。
ちなみに、通勤電車で読んでいるのは……逢坂剛だったりJ・P・マンシェットだったりマーガレット・ミラーだったり、ほとんど再読ばかりだ。
で、これも通勤電車で読んだ。
しばらく前に国書刊行会から出た『比類なきジーヴス』とほぼ同じ内容。文春のほうが収録作品数は多く、さらにイーヴリン・ウォーや吉田健一によるウッドハウス讃も収められている。
国書も文春も、引き続きウッドハウスの本を刊行する模様。ただし国書刊行会はジーヴスの活躍する作品をとりあげ、文春はウッドハウスが描いた他のキャラクターにスポットを当てるので、2巻目からは内容が重なることはないはずだ。
のび太のくせに生意気な若旦那のバーティと、常に冷静沈着なドラえもんであるジーヴスの愉快なお話。気楽に楽しめるけれど、実はきわめて入り組んだ筋書きで、それを複雑と感じさせない手際が素晴らしい。
● Martha [Now we know who the ssenilbe one is here. Great post!]
今月末にでるHMMの書評で、パトリック・オブライアンの帆船小説を担当したのだけれど、その表紙の絵を描いている画家の本。
メインはやはり帆船の絵。過去の世界のものだけに、けっこう綿密なリサーチを重ねて描いているようで、そういう凝り方には好感が持てる。帆船だけじゃなくって、中には現代のイギリス海軍の艦艇やヨットレースの風景を描いた絵も。
私はそっちの方面はあまり強くないのだけれど、イギリス帆船小説の世界がお好きな方なら、深く楽しめるかもしれない。
早川書房の方が送ってくださった。ありがとうございました。
ヴィクトリア朝のロンドン。「十二人の道化クラブ」という怪しげな会員が集うクラブで起きる怪事件。密室殺人にダイイング・メッセージ、降霊会に稀覯本に殺人鬼の手記と、古典的な探偵小説の味わい満載の本格ミステリ。
……らしいのだが、まだ読み始めたところ。
● spiderCLUCK [hiiiiiii i am spider from Arg. I would to ask you what kin..]
● upssCLUCK [How do I move a thread to a different topic? hi all :)]
● mitunsMow [ich hatte Recht :) mituns]
● poonox [hallo ich bin POO :P ich wohne in IR. Das i..]
● wazzCLUCK [docdroid.net/YZULUtJ/z-pamietnika-poloznej-s12e01-za-darmo..]
解説を書かせていただいた本が届いていた。以前ミステリアス・プレス文庫として出ていた本の、ハヤカワ・ミステリ文庫での再刊である。
実はこれ、ロス・トーマスとしては異色の作品なのですね。マジメなところが。他の作品だと、登場人物はみんな必要以上に肩の力が抜けてたりするのだけど。願わくば、こいつが異色作であることが明確になるくらいにロス・トーマス作品がたくさん復刊されますように。
ちなみに帯は「九代目林家正蔵氏絶賛」。氏が熱心なミステリ好きであるという事実を知ったのは、たしかスチュアート・カミンスキーのリーバーマン刑事ものを読んだときだった。なにしろ「解説・林家こぶ平」である。そういえば朝日新聞の記事でも、「私のヒーロー」としてあげていたのがマット・スカダーだった。
mixi経由で霜月蒼さんから。最近、あちこちで見かけるアレだ。 「○○な人へのn個の質問」みたいだなあ、と思いつつ……
24GB。
Sentenced "The Funeral Album"
フィンランド産ゴシック風メタルバンド、最後(嗚呼)のアルバム。
で、そのアルバムの中から"The end of the road"。もうおしまいですか……
最近よく聴くのはこんな感じか。なお、アルバム単位にした。
サイト名の由来はコレ。最初から最後までヤケクソ気味の轟音がとぎれることなく鳴り響く。かっこいい。
渋い。
骨太。ザック・ワイルドはだんだん歌い方がオジー・オズボーンに似てきているように思う。まあ、もともとオジー・オズボーンのところにいたわけだが、だからといって歌い方が似るのは不思議だ。
もともと荒涼とした雰囲気を醸し出すのが巧みだったけど、それが頂点に達したのがコレかな、と思う。
これまたゴシック風。Sentencedが荒野の激情なら、こちらは都会の憂鬱といったところか。
ふつうに回答しておいてなんですが、こういう「すべての人はつながっていて云々」みたいな空気を醸し出そうとするモノはあまり好きではないので、ここで止めちゃいます。あしからず。
楽しめる作品。紹介文はガジェットを前面に押し出していたけれど、どちらかというと主人公を初めとする人々の心情の動きが主体となるおはなしだ。
小道具の扱いは意外にあっさりしている。特に「十二人の道化クラブ」に集う人々はもっと奇人揃いで、あやしい会則ももっと前面に出てきてもよかったのではないかと思う。芦辺拓やマイケル・スレイドみたいな、呆れたガジェット偏愛を期待してしまったのだが、そういう趣旨の作品ではない。
ただ、登場人物の描き方もけっこうあっさりしているので、もっと執拗にねちねちと描いてくれてもよかったと思う。
1939年。ソ連は人口370万の小国フィンランドに侵攻。旧式な装備の小規模な軍隊しか持たないフィンランドはあっさり敗れるかに見えた。だが、彼らは抵抗を続け、次々とソ連軍を壊滅に追いやる。その善戦は「雪中の奇跡」として世界に報じられた……という、「冬戦争」の全貌をまとめた書物。
貧弱な軍隊で圧倒的な敵に挑むというシチュエーションが泣かせる。私にとっては、世界の中心で会いににいきます、とかそういうのよりも泣ける。
著者もフィンランド軍に感情移入するあまり、ときどき地の文でフィンランド軍のことを「我々」なんて書いていたりする。別に『裁くのは誰か?』みたいな趣向ではない(と思う)。著者はフィンランド人ではないので、『病める巨犬たちの夜』でもないはずだ。……というかですね、文章がとても下手なのが泣ける。
そんなわけで泣いてばかりです。おもしろいけど。
「隔離戦線」のページで豊崎由美さんが、『ベルカ、吠えないのか?』について、「犬の系図を載せて欲しかった」ということを書かれている。
私も欲しい。もっとも、単純に犬の系図が載ってるだけだと、最初に読むときには目の毒だ。きっと、未読のページに出てくる犬まで載っているから。
電子化されていて、現在読んでいるページのノンブルを入力すると、その範囲ですでに書かれているはずの情報だけまとめて出してくれる。そういうインタラクティヴな犬系図が欲しい、と思った。
文章がアレだというのを差し引いても面白く読むことができた。強大な敵に劣勢な軍隊で挑むという泣かせるシチュエーションのおかげだろう。多数の写真も、文章がアレなのを補っている(もっとも、フィンランドの地理なんてよく知らない上に、地図が少ないので戦況がわかりにくい)。
ナポレオンにしてもヒトラーにしても、ロシアに攻め込んだ外国の軍隊は"冬将軍"に痛い目にあわされている。そのロシアの兵士たちが、フィンランドの冬に苦戦するさまは興味深い(温暖な地方から集めてきた兵士も多かったようだ)。ここでの経験が、後のドイツ軍との戦いにも活かされたのだろうか。
これから読むもの・読み直すもの
● ヨルノユキ [10年ほど前、海外へ留学する友人への餞に何冊か本を贈ったことがあります。そのときにミステリではポケミスの『怪盗ニック..]
● ふるやま [ああ、それは楽しいセレクションですね。「怪盗ニック」も、とても密度の濃いシリーズですし。 『暴徒裁判』のあの犬は、ラ..]
● ヨルノユキ [今回新訳を読んで、「ラストシーンのアレ」を全く忘れていたことに気づきました(記憶力やばい)。心に残るシーンってのは人..]