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マーク・サリヴァン『地底迷宮』はエンターテインメントに徹していて非常に楽しめた。
舞台の大半は地底。以前「英国地底魂」なんて文章を書いたこともあるけれど、地底を舞台にした小説というのは面白いものが多い。地底というものが人の想像力をなにかと刺激してしまうことは、『帝都東京・隠された地下網の秘密』なんて本からもうかがえる。
中盤も過ぎたけれど、モダーンなホラーにくらべるとずいぶんのどかな感じ。語り手たちは英国の田舎を旅しながらのんびりと謎に迫っている。これがディーン・クーンツの本だったら、今頃はもう大変なことになっているはずだ。
超常現象を扱う手触りは古典的な怪奇小説のそれに近い。
なんか聞いたような名前の店だと思って確かめてみたら、去年2回くらいここで飲んでいたのでした。びっくり。店員は18歳だったそうで、自分にあてはめてみればマイクル・スレイドを知らないまま命を落としたことに相当する。痛ましいことだ。
フランス情報機関幹部の立場を利用して副業で私腹を肥やすマングースと、武器商人・戸崎との死闘を描いた連作短編。
「いかにも」な登場人物を配して世界各地を舞台に繰り広げられる罠の仕掛け合いは、安心して楽しめるできばえ。ただ、敵役が主人公を危機に追い込む → 敵役は自分の企みを得々と語る → その隙に主人公or味方が反撃する という「冥土の土産に教えてやろう」パターンを連発させるあたり、ちょっと重みに欠ける。
面白く読めるけれど、この人のベストとは言い難い。
時は第二次大戦末期、舞台はアラスカ。若いベルク軍曹は、日本軍の風船爆弾を秘密裏に処理することを命じられる……。
冒険小説かと思って読み始めた。戦争という状況と厳しい自然を利用して組み立てられているところは冒険小説っぽいけれど、描こうとしているものはそこから少し外れたところにあるような気がする。幻想小説の二、三歩手前で踏みとどまっているような不思議な感触。
これから読むもの・読み直すもの
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