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今ごろ日本ファンタジーノベル大賞の受賞作を読んでいる。『太陽の塔』と『象の棲む街』の二冊で、後者についてはそこに書いておいたとおり。『太陽の塔』は今読んでいるところだが、どうもファンタジーという方向には行きそうにない。現実を異化してしまう主人公の妄想力はなかなか強烈(で笑える)のだが。
そもそもこの賞、あまり「ファンタジー」という枠組みは重視していないようで、むしろジャンル小説の枠組みからは積極的にはみ出すものが高く評価されているようだ。受賞者や、選考のおしまいのほうまで残る人には、たぶんボルヘス好きが多いんじゃないかという印象がある。
とはいえ、応募原稿の中には、フォーマットに忠実な剣と魔法のお話なんてのも多いのかもしれないけれど。
ちなみに、私がいちばん気に入っている受賞作は宇月原晴明『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』。ヨーロッパという異界の存在を知って間もない戦国時代の日本、という魅力的な舞台もさることながら、幻想/妄想に基づいた史実の読み替えが鮮烈だ。明智光秀が本能寺の変を起こす、その奇想天外な動機ときたら!
村上貴史さんの『ミステリアス・ジャムセッション』やミステリマガジン3月号などをぱらぱらとめくりつつ、一日おとなしく過ごす。
前者はミステリマガジンで連載中の日本人作家インタビュー記事をまとめたもの。本にする際に、各回(=各作家)に囲み記事を追加して、インタビューの裏舞台について語っている。雑誌で見たときはちょっと堅い記事のように感じていたけれど、この本はかなり親しみやすい読み物になっている。
おつかれさまです&刊行おめでとうございます。
この日までに受賞作を読んでおかねば、と思っていたのだが、なんとか前日に読了した。
会場は宝島社の近くにあるホテルの中華料理店。第一回の授賞式が催された、バブルの残り香が漂うような会場にくらべるとずいぶん慎ましい。が、個人的には今回の会場のほうが落ち着いた風情で好感が持てる。少なくとも料理の質は去年より上だったと思う。
ただし前回はやたらと派手な演出があったけど、今回はなんだか普通の宴会という感じ。出席者も顔なじみの方が多く、「いつもと変わらないですねえ」なんてことを話した記憶がある。
ちなみに大賞受賞の『パーフェクト・プラン』は、改稿の結果コンピュータ関連の記述が妙に詳しくなっている。なんでまたあんなことに……と思っていたのだが、その事情を知ることができた。大森望さんの趣味というより、大森さんがよそから知恵を借りてきた、というのが真相。
しかしまさか、このミス大賞授賞式でLinuxがどうのとかRubyがどうのとかいう話をすることがあるとは思わなかった。
その後三次会まで続いたが、杉江松恋氏が破壊衝動に駆られることもなく無事に終了。
これから読むもの・読み直すもの
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