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昨日の記述で、「黒人差別をなくす会」のことを「黒人をなくす会」と書いていました。失礼しました。
そういえば「チビクロさんぽ」という、「ちびくろさんぼ」の男の子を黒い犬に置き換えた絵本がある。「黒人を登場させるとマズイから犬に変えよう」という発想はかえって危険な気がするのだがどうだろう。
案の定、「黒人差別をなくす会」は版元の北大路書房に抗議している。
……もっとも、上記リンクの先で公開されている「なくす会」と北大路書房の手紙のやり取りを読んでみると、北大路書房側が何を反論しても、ただ「差別的図書だからダメ」と繰り返すだけで具体的な指摘をまったくしない「なくす会」の奇異な姿勢が印象に残る。
「なくす会」が『ちびくろさんぼ』の版元に抗議したときも、こんな調子だったのだろうか?
「ちびくろさんぼ」と同じく舞台はインド。とはいえ、こちらはインドとパキスタンの対立をえ扱った作品で、もちろん虎は出てこない。
「ボブ、わたしは、これがジャックの建てた家というあの童謡とおなじだということをいいたいだけだ。ひとつのことが、つぎのことにつながり、それがまたべつのことへとつながってゆく。ひょっとして杞憂かもしれないが、どのみちかんばしい状況ではない」(p188)
おおドミノ理論だ。もちろん共産主義の拡散を警戒しているわけではなく、インドとパキスタンの間で核が使われたら、中国だって台湾に使うかもしれないし、そうなりゃロシアだって(以下続く)、という理屈。で、こういう理屈に基づいてアメリカ政府がひそかにインドとパキスタンの間に渦巻く謀略に介入する。
2/3ほど終了。今のところミステリとしてはやや物足りない感じだが、読み物としては実にユーモラスで楽しい。『小麦で殺人』なんかは、ミステリとしてもなかなかよくできていたんだけど。
これから読むもの・読み直すもの