現在は更新していません。→最新のページをごらんください。
日本の皇室がバッキンガム宮殿を買い取ってしまう小説ではなく、歌野晶午の新作。
主人公は無職/オタク/ロリコン。主な話し相手は「絵夢」と名付けた人形で、彼の脳内では「妹」になっている……という妄想まみれの男が殺人事件に関わってしまう話。冒頭からいろいろ趣向を凝らしているので、ストーリーについてはあまり触れない方がいいだろう。
ともあれ、表紙を開いたところから仕掛けはすでに始まっている。細部から物語全体にいたるまで、さまざまなレベルでの仕掛けが楽しめる作品だ。
ちょっと気になるのが、重要なポイントである主人公の造形。上に記したとおり、すさまじく類型的なのだ。人物造形はもともと歌野晶午の弱点だが、ここ最近の作品では他の要素で弱点をカバーしていた。が、今回は主人公の異様な内面が鍵を握っている物語だけに、そのステレオタイプぶりが目についてしまう。
まあ、それだけに非常に分かりやすい作品に仕上がっている。作中のオタクの妄想も、そんなに強烈なものではない。
外枠の形は『グルーム』に似ているという意見があって、それはその通りだと思うけれど、『グルーム』のような「内と外との緊張感」はここにはない。ミステリとしての仕掛けを支える手段としてのオタク描写であり、そういう意味ではうまく機能していると思う。
これから読むもの・読み直すもの
comment2,
comment1
comment6
genelev com
Hello! dgdbacc interesting dgdbacc site!
Very nice site!
Hello! cccddgd interesting cccddgd site!
Very nice site!