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私立探偵ポール・パインの一人称で語られるハードボイルド。
クライマックスから無常感漂うラストまで。
黄金時代の名探偵ばりに、関係者一同を前にパインが真相を解き明かすクライマックス。犯人を指摘する瞬間の大爆発が忘れがたい。理性と暴力とが奇妙な融合を見せる。
ここに炸裂するのは、チェスタートンばりの意外性だ。大胆な仕掛けと、それを支える思考様式。ギリギリのところまで踏み込んだ伏線。いわゆる本格ミステリ的なものの見方によって作られている。
その爆発を演出する筆致は、まさにハードボイルド。饒舌に語るのではなく、言葉の余白に緊張を漂わせる。
「これで演説は終わりだ。ごきげんよう、警部補」
謎解きは終わっても、物語が終わるまでにはもう少し間がある。
ずっと非情なスタイルを貫きながら、最後の2ページだけはエモーショナル。喪われるものへの感慨がにじみ出す。前作『血の栄光』の酷薄さとは全く異なる印象で、まさしく「かつての王国に帰還できなかったアル・カポネへの鎮魂歌」(解説・法月綸太郎)だ。とはいえ感情を暴発させるわけではない。あくまでも抑えたまま、最後の一行へと着地する。
全部で250ページ強。それほど長いわけではない。だが、密度は濃い。
情動に訴えかけるようなフィクションを、煽動力の高いレトリックを駆使しながら理知的に語る。理と情の緊張感が心地よい……のはいいけど、つい煽られて闇雲に洋書を買ってしまいそうで怖いです。
帰ってきたら届いていました。どうもありがとうございます。
ヒロインはカリフォルニアに住む、二人の子を持つふつうの主婦。だが、実はバチカン法王庁で育てられ、悪魔退治の技法を身につけたデーモンハンターなのだ!!
……という楽しげなお話。作者はハーレクインでロマンス小説を書いている人。けっこう多作のようだ。
これから読むもの・読み直すもの
● ♪akira [先日は突発的にお誘いしてすみませんでした。とても楽しかったです!ぜひ次回の某オフにもいらして下さいませ(^^)。]
● ふるやま [♪akiraさん 私も、楽しい時間を過ごすことができてよかったです。次回もぜひまいります。]