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この雑誌、もともと3月号は1年間のまとめが載るので分厚いのだが、今年はさらに601号記念というわけでいっそう分厚くなっている。
特集の「ジャンル別ベスト短編を読む」が豪華。
ジャンル別に、ジャック・フィニイ / ジェイムズ・M・ケイン / ダシール・ハメット / ローレンス・トリート / アントニイ・バークリー / リリアン・デ・ラ・トーレ / アリステア・マクリーン / リチャード・ハーディング・デーヴィス / デイヴィッド・グーディス / ロッド・サーリング……といった作家の短編を一本ずつ収め、またジャンルごとに解説が付されている。
また、海外ミステリのオールタイム・ベストの集計結果も。ただし結果自体は、昔ながらの名作が並ぶもので、そんなに驚くようなものではない(結局、ウェストレイクとスタークとコウは全部ウェストレイクとしてカウントされたようである)。むしろ、この一年の作品を対象にした「私のベスト3」のほうが読み応えがあると思う(アンケート回答の字数制限が「このミス」などよりも緩いので、いろいろ書かれる方が多いのだ)。
ただ、福井さんも1/25に指摘しているように、変なところが散見されるのも事実。特に247ページは『紙葉の家』みたいでちょっとびっくりした。「『クリスマス・プレゼント』に入っているのは〜」が「『クリスマス・プレゼント』の収録作は〜」とかであれば大丈夫だったのかも。
例の『容疑者X〜』に関する、二階堂黎人&笠井潔の論考も(と言いつつまだ読んでない。ざっと見たところ、二階堂原稿のほうは氏のサイトにこれまで書かれた内容のまとめらしい)。
ひとまずハヤカワ文庫版を再読終了。
こちらはこちらで十分に楽しめる作品だが、確かに端折ったような形跡が見られる構成ではある(後知恵)。登場人物の過去の描き方などはちょっと舌足らずに思えるところも。
怪事件の正体が読者には何となく見えていて、でも登場人物はなかなか気づかず、何人かが気づいても「そんな馬鹿な」と頑強に否定する奴がいて……という「志村うしろうしろ」感ゆえにホラーとして評価されたと思うが、他の作品にも共通する「マレルらしさ」というのはここにも見られる。
やっと下巻に。それにしてもずいぶんゆったりしたペースである。話の展開も、私がそれを読むスピードも。
ひとまずハヤカワ文庫版を再読中。
かつてハヤカワ文庫のモダンホラー・セレクションから出ていた『トーテム』が、もうすぐ創元推理文庫で復刊されるわけですが、その解説を書くことに。そんなわけで、当面マレル仕掛けの明け暮れです。
ちなみに単なる復刊ではない。かつて訳されたバージョンは、マレルの意に添わないまま短縮された版。今回刊行されるのは、後にマレルが復元した完全版である。
ゲラをいただいたので、少しだけ旧版と読み比べてみたが、文章は大きく違う。冒頭の場面からして違う。初読のような気分で楽しめそうだ。
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読み終えたのは去年の暮れだけど、最後に明かされる秘密などの印象が強烈だったので、topics:暁の密使に少し書いておきました。
帝国ホテルにて授賞パーティ。……と書くとえらく豪勢だが、比較的小さな会場でこぢんまりと。大賞受賞の海堂尊さんが、できあがったばかりの本に関係者の寄せ書きを集めていたのが面白かった。私も参加したのだが、人の本に何か書き込むなんてのは初めてで、何を書いたものか困ってしまった。
二次会は地下のレストラン。『容疑者Xの献身』と本格ミステリをめぐる熱い議論……は特に行われず、もっとのんきで楽しい話題に終始していた(少なくとも私の周囲は)。
さらに飲み足りない人々は、今度はにわかに安い居酒屋へ。過去数回も、二次会以降は宝島社近くの「笑笑」だったりしたので、これは伝統の踏襲とも言えよう。私は途中で帰ったけれど、最終的には3時半解散だったそうな。たかが雪くらいでは人の飲酒欲を抑えることはできないものである。
これから読むもの・読み直すもの
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