どういうわけか慶応大学推理小説同好会の恒例行事となっていて、OBは赴いては金をはがれることになっている。
前回も行くつもりだったんだけど、『名探偵ベスト101』の打ち合わせがあったので……とか言ってたら、実はあの本を買ってくれた後輩がいた模様。ありがたいことで。
解説もようやくまとめて早川書房に送付。
早川書房のKさんには「こども番組のおにいさんのような邪悪な語り」として好評だった。
それはありがたいのだが、ふつう「こども番組のおにいさん」は「邪悪」につながらないと思うぞ。
かぜ。
かぜぎみ。
クリスティー解説がらみで『ビッグ4』も読み返す。彼女の作品の中ではとても評価の低い一冊だが、たいへん気に入った。傑作であるとはまったく思わないのだが、なんとも愛すべきおはなしである。なにしろ、この本の敵役は「世界征服を企む悪の秘密結社」。ポアロが懸命になって彼らの陰謀と戦う冒険活劇なのだ。とんでもないひみつ兵器もでてきて、それはもう大変。グダグダなラストを読みつつ、弱った身体が癒されるような気分を味わった。
私にはどうしようもない愚作を気に入ってしまう悪い癖があるが、『ビッグ4』はそれを発動させてしまう一冊だった。