■小説すばる新人賞
ようやく終了。といっても来月また2回目の下読みがあるのですね。
2006年4月の日記
「ところがキジマは、ゲーリングの写真をひと目見ただけで、彼が獄中に青酸カリを持ち込んだある可能性を指摘した。(中略)むこうの調査委員会は、ゲーリングの自殺はキジマが指摘した方法以外には考えられないと指摘したのだ」Wikipediaの『ゲーリング』の項目によると、2005/2/7のロサンゼルス・タイムズで、「自分がゲーリングに毒物を渡した」という元アメリカ兵の証言が報じられたという。
p.11-12
「あなたは、なんというか……小説に出てくる探偵のように派手には見えませんわ」昭和21年の日本人としては「小説に出てくる探偵」の認識がずいぶん先を行ってるような気がする。探偵小説好きということになっているが、それだとむしろ本格ミステリの古典的名探偵を連想するんじゃないだろうか。
「不精ひげを生やして、女の尻を追い回し、むやみに拳銃をぶっぱなしたり、あるいはいつも酔っ払っているような人間ではない?」
キョウコはかすかに笑みをうかべて頷いた。
p.183
ごめんなさい。日付間違えてました。
ガイドブックにちょっと犯罪小説の紹介など書いたのがきっかけで、試写会に行ってきた。キャスト舞台挨拶あり。鈴木京香綺麗。
誇張された派手な表現が楽しい映画だった。演説男・響野(佐藤浩市)が長広舌をふるうさまもしっかり作られていて(銀行襲撃シーン、本当にずっと喋っている)、映画化されたら見たい場面だっただけに満足。
原作との違いで目についたのは、雪子の扱い。原作同様「体内時計の持ち主」なんだけど、映画ではまさに「豪腕ドライバー」そのもの(CG使いまくったカーアクションが多いのですね)。まあ、「体内時計」ってのは映像では扱いにくいのかもしれない。
勢いに任せて細部の辻褄をごまかしちゃったところもあるけれど、まずは原作同様、軽妙にして洒脱なものに仕上がっている。
そういえば、原作のあとがきにこう書かれていた。
九十分くらいの映画が好きです。
そのくらいの長さで、
あまり頭を使わないで済む内容であれば、そちらのほうが好ましいです。(中略)現実味や社会性というものはあってもいいですが、なかったからと言ってあまり気になりません。
まさしくそういう映画でありました。
ちなみに映画のガイドブックはこちら。
これから見ようという方がこの本を入手された場合は、映画を見るまで帯を外さないように(外してもいいけどその下は見ないように)気をつけてくださいね。
何はともあれ鈴木京香綺麗。