【陰謀小説】
ジェイムズ・ラスダン / DHC
読みかけの本に挟んでおいたしおりが何十ページも移動していた。それをきっかけに、ひとりの大学講師の身のまわりに次々と不可解なできごとが起きる。数々の事象の裏に、彼は前任者ツルミルチクの影を見いだす……。
ここ数年、陰謀の匂いがするフィクションが気になっている。自分の暮らす環境が、何者かの意志に基づいてコントロールされている--そういう妄執(ないしは現実)を扱った作品だ。
この本にもそういう匂いがただよっている。主人公がツルミルチクを疑う根拠はそれほど強固なものではないが、数々の偶然に見える符合を必然と見なすことによって、彼の妄執もエスカレートする。それにあわせるかのように、彼の身に降りかかる疑わしい現象もどんどんエスカレートする(し、彼自身も陰謀に対抗して突飛な行動をとるようになる)。
短いながらも、危険な妄想によるトリップ感覚が味わえる作品だ。
読みかけの本に挟んでおいたしおりが何十ページも移動していた。それをきっかけに、ひとりの大学講師の身のまわりに次々と不可解なできごとが起きる。数々の事象の裏に、彼は前任者ツルミルチクの影を見いだす……。
ここ数年、陰謀の匂いがするフィクションが気になっている。自分の暮らす環境が、何者かの意志に基づいてコントロールされている--そういう妄執(ないしは現実)を扱った作品だ。
この本にもそういう匂いがただよっている。主人公がツルミルチクを疑う根拠はそれほど強固なものではないが、数々の偶然に見える符合を必然と見なすことによって、彼の妄執もエスカレートする。それにあわせるかのように、彼の身に降りかかる疑わしい現象もどんどんエスカレートする(し、彼自身も陰謀に対抗して突飛な行動をとるようになる)。
短いながらも、危険な妄想によるトリップ感覚が味わえる作品だ。