▼ ジェシカが駆け抜けた七年間について
【ミステリ】
歌野晶午 / 原書房
女子マラソンの世界で起こった悲劇を、トリックを仕掛けることでミステリーに仕立てた作品。
『葉桜の季節に君を想うということ』で不満だった点が、この本ではきれいに解決されていた。『葉桜~』に感じた不満というのは、
そんなわけで、「読者をびっくりさせる」という一点に集中して大技を仕込んだ作品としてはたいへん満足。
(ただし、35ページ2行目の表現は勇み足ではないかと思う。本書の仕掛けにかかわる部分だけに、ちょっと残念なところである)
女子マラソンの世界で起こった悲劇を、トリックを仕掛けることでミステリーに仕立てた作品。
『葉桜の季節に君を想うということ』で不満だった点が、この本ではきれいに解決されていた。『葉桜~』に感じた不満というのは、
- ある事実が伏せられているだけで、伏線としては弱い
- 仕掛けにこめられた驚きが、描かれる事件の解決とほぼ無関係
- 伏せられている事実を匂わせる記述が、実は大量に埋め込まれている
- 仕掛けにこめられた驚きが、描かれる事件と絡み合っている
そんなわけで、「読者をびっくりさせる」という一点に集中して大技を仕込んだ作品としてはたいへん満足。
(ただし、35ページ2行目の表現は勇み足ではないかと思う。本書の仕掛けにかかわる部分だけに、ちょっと残念なところである)
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