▼ パーフェクト・コピー
【SF】
アンドレアス・エシュバッハ / ポプラ社
『イエスのビデオ』の作者によるジュブナイルSF。
ヴォルフガングは15歳。親にいわれるままにチェロの練習に励んでいたが、ある日「これは本当に自分のやりたいことなんだろうか?」という疑問を抱く。そのころ、キューバの科学者が「16年前にクローン人間を作った」と発表する。そして、ヴォルフガングもクローン騒動の渦に巻き込まれてゆく……
親の敷いたレールに疑問を抱く若者、というジュヴナイル向けのまっとうなテーマを、クローン人間という素材を使って描いている。
主人公が思いを寄せる女の子は、腕っぷしも強い優等生とつきあっている。そんな彼女が、少々引っ込み思案の変な奴である主人公のほうを振り向いてくれる、という実にありがたい展開も待ち受けている。このへん、想定される読者層にあわせたような気がする。
ところで『イエスのビデオ』ではソニー製品を異常なまでに堅牢にしてしまった作者だが、今回も少々無茶をしている。もっとも、ほぼ全編を世間知らずの15歳の少年の視点で統一しているので、無茶もうまく包み込まれてはいる。
伏線があからさまではあるけれど、まずまずまっとうに楽しめる娯楽作品。
『イエスのビデオ』の作者によるジュブナイルSF。
ヴォルフガングは15歳。親にいわれるままにチェロの練習に励んでいたが、ある日「これは本当に自分のやりたいことなんだろうか?」という疑問を抱く。そのころ、キューバの科学者が「16年前にクローン人間を作った」と発表する。そして、ヴォルフガングもクローン騒動の渦に巻き込まれてゆく……
親の敷いたレールに疑問を抱く若者、というジュヴナイル向けのまっとうなテーマを、クローン人間という素材を使って描いている。
主人公が思いを寄せる女の子は、腕っぷしも強い優等生とつきあっている。そんな彼女が、少々引っ込み思案の変な奴である主人公のほうを振り向いてくれる、という実にありがたい展開も待ち受けている。このへん、想定される読者層にあわせたような気がする。
ところで『イエスのビデオ』ではソニー製品を異常なまでに堅牢にしてしまった作者だが、今回も少々無茶をしている。もっとも、ほぼ全編を世間知らずの15歳の少年の視点で統一しているので、無茶もうまく包み込まれてはいる。
伏線があからさまではあるけれど、まずまずまっとうに楽しめる娯楽作品。
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