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2009/07/14(火) pomera

日常
発売当初から気になってはいたのだが、先日ようやくpomeraを買った。
さっそく、「このミス」大賞の選評などをすべてこれで書いてしまった。

今のところ大きな不満はない。行番号が表示できて、1行あたりの字数を指定できたほうが自分の用途には向いているが、割り切った製品なので諦めるしかなさそう。

最近、外出時に原稿を書くときはW-ZERO3[es]のキーボードを使っていた。反応速度もあまりよくないため、長い文章をまとめるのはつらく、せいぜい文字数や行数の調整程度*1。まあ、書いたらすぐ送信できるのは便利だ。

pomeraは単体では通信できないので、文章を書く→microSD経由でW-ZERO3[es]に移動→文字数などを調整→送信 という手順が必要。

そもそも、締切直前に書き始めるなんてことをしなければ、外出時に書いたりしなくてすむのだけど……。

*1 : 字数と行数を指定できるテキストエディタをインストールした

1: にじむ 『わ、買われましたか。何色ですか? やっぱりPCほどは打ちやすくないのでその中間、といった感じではあるのですが、あるのと無いのとで...』 (2009/07/15 11:41)

2: 古山裕樹 『おひさしぶりです。買ったのは白です。 microSDはかなり小さいので、ケーブルを抜き差しする方が扱いやすいかも……と思い、US...』 (2009/07/16 7:35)

3: みかど 『ううむ、俺も購入を検討しているのだが・・・ でも昔ほど文章打たなくなったからね。媒体はMicroSDか。あれ、使いづらいからな...』 (2009/07/17 5:53)

4: にじむ 『うーん、そうですか。わたしも今度試してみますね。他のやはり書き物をされてる方も、文字数行数チェックができないところが気になってい...』 (2009/07/19 17:10)

5: 古山裕樹 『>みかどさん ああ確かに。microSDの抜き差しは必要以上に緊張します。 >にじむさん うっかり消してしまう+undo一度だ...』 (2009/07/20 11:25)

6: とおりがかりのもの 『http://www.forest.impress.co.jp/article/2008/11/14/pomeracopy.ht...』 (2009/08/05 24:47)

2009/07/13(月) 2009-07-13

日常
しばらく本業が立て込んでいた上に、いろいろな下読みの日々が続いて、つい3ヶ月近く間が空いてしまった。

ようやく終わったのは「このミス」大賞。選考にけっこう苦労した人もいたようなので、一次通過の連絡は例年より遅れているかもしれない。

這いよれ! ニャル子さん

未分類
ASIN:4797354143 逢空万太 / GA文庫

ジャンルの退嬰的な混血がもたらした、忌まわしい冒涜の書。

ニャルラトホテプが漫画とDVDを買い漁る。
ニャルラトホテプが弁当を作ってくれる。
ニャルラトホテプが押し倒されて服を……

そんなわけでクトゥルー神話の新たな地平を切り拓いてしまった作品である。非常にくだらなくて楽しめた。
どんな狂った展開を見せても「まあ無貌の神だから」「まあ這い寄る混沌だから」と割り切れるのも、このキャラクター選定のおかげだろう。誰が混沌に一貫性を期待するだろうか。

いろいろなところから元ネタを引っ張ってきた文章は、クトゥルー神話というものの生い立ちを考えれば、正統に則っていると言えなくもない。そもそもラヴクラフトだって、先行作品からいろいろ引っ張ってきているのだ。

クライマックスに明かされる真相は名状しがたいほどに愚劣で、クトゥルー神話のくせに読後は歪な爽快さを残す。
ダーレス批判などバカバカしくなるような一冊。作品自体がある種の這い寄る混沌であった。めでたしめでたし。

1: 狒狒 『そうそうこれ是非読まねば。』 (2009/04/18 26:17)

2: 古山裕樹 『ぜひお読みください。いひひひ。』 (2009/04/19 15:27)

2009/04/01(水) 風邪でダウン/ブラックメタル

日常
しばらく本業が激務*1だったせいか、いろいろなことが一段落したところで風邪でダウン。二日ほど寝込んでいました。

勤労意欲あふれる社会人ならば自己管理の甘さを反省するところだが、私は「二日くらい倒れるのも仕方なかろう」と考えるような自分に甘い人間である*2

意識を朦朧とさせながら読んでいたのが『ブラック・メタルの血塗られた歴史』。
ASIN:9784944124329 ヘヴィ・メタル界隈ではファッションとして、歌詞の素材として取り上げられることの多い悪魔崇拝。これを全力で真に受けてしまったノルウェー方面のメタル青年たちが繰り広げた、陰惨な暴力をまとめたノンフィクションだ。あちらではブラック・メタル・バンドのメンバーが教会への放火に殺人と、陰惨な事件を起こしている。残虐神マイケル・スレイドの聖典『グール』の世界である*3
北欧ブラック・メタル界の人々も写真付きで登場するのだが、corpse paintの顔*4で載ってる人も多く、正直なところ個人の識別には役に立たない。

こんなのばかり読んでいたわけではないですが、それはまた改めて。ちなみにミステリマガジン新刊評用の読書もぶじ完了。

*1 : 世の中いくらでも上はいるので、あくまで自分の基準に過ぎないが

*2 : 他人にも甘い(つもりだ)

*3 : 念のため書いておくが、『グール』はブラック・メタル隆盛以前に書かれた小説。主題歌はアリス・クーパー&グリム・リーパー

*4 : 目の周りだけ黒く塗って顔全体を白く塗る。“クラウザーさん”だ

1: 狒狒 『>ブラック・メタル隆盛以前に書かれた小説 勉強になります。』 (2009/04/02 5:15)

ミレニアム2 火と戯れる女

ミステリ
スティーグ・ラーソン / 早川書房

 送っていただいた見本を読了。
 今回はすぐれた調査能力を持つヒロイン、リスベット・サランデル自身の事件。彼女が殺人事件の容疑者として追われ、しかも事件には彼女自身の過去にまつわる秘密が関わっていた。

 彼女の生い立ちについては前作でもある程度触れられていたが、今回はさらに衝撃の事実が明かされる。本筋と直接関係ないのに妙にたっぷり書き込んでるな……と前作を読んだときに思ったのだが、今回につなげるためだったようだ。そういえば本書でも、意味ありげに提示されながらそのまま回収されなかったエピソードが残っているが、これもやはり次で回収されるのだろうか。
 優等生ジャーナリストのブルムクヴィストと、はみ出し者のサランデル。対照的な二人の主人公だけでなく、捜査に当たる刑事たち、さらには敵役の異様な面々と、登場人物の造形は相変わらず鮮やか。キャラクターが確立されているからこそ、クライマックスの衝撃も効いてくる。

 この作品に描かれる事件の背後には、スウェーデンと外国との関わり方がある。時代は違えどシューヴァル&ヴァールーや、あるいはほぼ同時代のヘニング・マンケルにも似た匂いが漂ってくる。

 おそらくはあのエピソードが回収されるであろう第三部も楽しみ。