【日常】
▼ 2004/01/20(火)
【日常】
■ネガティヴ
会社の仕事がにわかに大忙し。どうにか読めた本の中では『1421-中国が新大陸を発見した年』が印象に残る。
とある原稿で、編集者から書き換えてもらえないか、と相談される。同社の本についてややネガティヴなことを書いていて、そのくだりを削除できないか、とのこと。問題の本は「愛すべき失敗作」とでも言うべきもので、構成その他にかなり難があるものの、独特の魅力を備えている。原稿でも、その作品がダメであることを述べつつ、あとのほうでおすすめしてみたのだが、そのへんがうまく伝わらなかったようだ。とりあえず、削除は構成上よろしくないので書き直し案を挙げてみた。
[20040106:1/6]にも書いてるとおり、私はこういういびつな作品が結構好き(優劣の評価とは別)で、「このミス」のアンケートにも平気で挙げてしまう。減点法で評価するなら、いい点は取れそうにない作品ばかりだ。
▼ フューチャー・イズ・ワイルド
【科学】

500万年後、1億年後、そして2億年後。人類などとっくにいなくなってしまった遠い未来、地球環境の変化に合わせて、生物がどんな風に姿を変えてゆくのかを想像した光景が描かれる(動物の絵は、おそらくCGを駆使したのだろう)。SFは絵だ、なんて言葉をふと脈絡もなく思い出す楽しい本だ。
表紙の魚みたいな生き物は、魚の2億年後の子孫だ。バックには海と空が描かれているけれど、彼らの生きる場所は、実は海じゃない--空のほうなんだ。陸上の動物たちが大量絶滅した後の世界で、魚たちは思いもよらない進化を遂げている。
この本の中で繰り返し強調されるのは、次の三つの学説だ。
- 生物は、環境に適応してその姿を変えてゆく。
- 生態系のどこかに空きが生じると、別の生き物がその空席を埋める。
- ときどき、大量絶滅が起きる。
読み終えてから、ふと気になった──2億年後も、ゴキブリはやっぱりあの姿で地上を這い回っているのかな?