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『[ミステリ]』 で検索

2005/09/09(金) 生首を蹴ってみろ

日常

[] 斬首人の復讐

ISBN:4167705117

 職場で昼休みに読み終えた。大いに満足。興奮のあまり午後は仕事が手につかない予感。

 第一作『ヘッドハンター』の殺人鬼がふたたび活動を開始するわけで、第一作を読んだ者としてはすでに犯人は分かっている。……にもかかわらず、そこに新たな驚きが!

 もう大変ですよ。なにしろ、先住民の武装勢力と騎馬警察がにらみ合う戦争状態(軍隊投入直前、という状況なのだ)のカナダの原野を、首切り殺人鬼が暗躍しているのだ。闇雲に豪華絢爛なサイコスリラーである(そう呼んでしまうのも、この作品の多彩な要素を切り捨ててしまうという問題があるのだが)。

 とりあえず興奮気味なのであとで書き直した方がよさそう。

2005/09/07(水) カナダの平和を阻む奴らさ Break Out!

日常

[] 斬首人の復讐 / マイケル・スレイド

ISBN:4167705117

 いろいろ片づいたのでようやく読み始める。そんなわけで今の私は冷静さを欠いている。もっとも、スレイドを冷静に読む人がいるなんて信じられない。

 電波文書みたいな目次を見ただけでもう昇天寸前。帰宅途上の電車の中でウヒウヒ喜びながら読んでいた。きっと、社会に野放しにしてはいけないタイプの人に見えたことだろう。いつ通報されてもおかしくない、そんな緊張感と隣り合わせの読書だ。

 うひひひひ。まだ百ページちょっとしか読んでないのに、もう大変なことになっているよ。

 スレイド童貞の皆さんは、一日も早く捨ててしまった方がいいと思う。創元も、スレイドの第一作『ヘッドハンター』を復刊することだし。

2005/08/31(水) スレイドと某社はどちらが強いのか

日常

[] 斬首人の復讐 / マイケル・スレイド

ISBN:4167705117

 訳者の方からいただきました。どうもありがとうございます。

 三部構成。各部タイトルの訳がすごいことになっている。

  • 第一部 生首を狩ってみろ
  • 第二部 生首を斬ってみろ
  • 第三部 生首を喰ってみろ

 仮に四部構成だったらともかく、第五部まであったらどうなっていたんだろう? 教えてください生首さん。

 で、一刻も早く読んでしまいたいところだが、目下勤務先の仕事が大変なことになっていて本を読む時間がほとんどとれない。悲しい。

 スレイドを読む時間を捻出するには会社を辞めるのが一番の近道だが、どうしたものか。

[]サルバドールの復活 / ジェレミー・ドロンフィールド

 プルーフをいただいた。あの『飛蝗の農場』ISBN:4488235069のドロンフィールドである。またしてもいかれた話であるらしい(わくわく)。先日、杉江松恋氏がこの本のことを話していたけど、不幸なことに私は酔っぱらっていたので細かいところを忘れてしまった(すみません)。何だか大変なことになってしまうというのは覚えているんだけど。この機会に、あまり予備知識を仕入れずに読もうと思う。

 ハモンドすまん。スレイドとドロンフィールドの後だ。

2005/08/29(月)

日常

[] 影の王国 / アラン・ファースト

ISBN:4062751712

 第二次大戦前夜、不穏な予感をはらんだ欧州を舞台に、ハンガリー人の主人公が数々の秘密任務を遂行する物語。翳りを帯びた情景描写がよい。

 主人公の祖国がイギリスやドイツやソ連といった大国ではなく、その狭間で翻弄される小国に設定されているところもポイント。スコープは小さいけれど、スケールの大きさは十分に感じられる。

2005/08/28(日) 女王様と私

日常

[]女王様と私

ISBN:4048736280

 日本の皇室がバッキンガム宮殿を買い取ってしまう小説ISBN:4807493477ではなく、歌野晶午の新作。

 主人公は無職/オタク/ロリコン。主な話し相手は「絵夢」と名付けた人形で、彼の脳内では「妹」になっている……という妄想まみれの男が殺人事件に関わってしまう話。冒頭からいろいろ趣向を凝らしているので、ストーリーについてはあまり触れない方がいいだろう。

 ともあれ、表紙を開いたところから仕掛けはすでに始まっている。細部から物語全体にいたるまで、さまざまなレベルでの仕掛けが楽しめる作品だ。

 ちょっと気になるのが、重要なポイントである主人公の造形。上に記したとおり、すさまじく類型的なのだ。人物造形はもともと歌野晶午の弱点だが、ここ最近の作品では他の要素で弱点をカバーしていた。が、今回は主人公の異様な内面が鍵を握っている物語だけに、そのステレオタイプぶりが目についてしまう。

 まあ、それだけに非常に分かりやすい作品に仕上がっている。作中のオタクの妄想も、そんなに強烈なものではない。

 外枠の形は『グルーム』に似ているという意見があって、それはその通りだと思うけれど、『グルーム』のような「内と外との緊張感」はここにはない。ミステリとしての仕掛けを支える手段としてのオタク描写であり、そういう意味ではうまく機能していると思う。