■[読書]起爆国境
「ちびくろさんぼ」と同じく舞台はインド。とはいえ、こちらはインドとパキスタンの対立をえ扱った作品で、もちろん虎は出てこない。
「ボブ、わたしは、これがジャックの建てた家というあの童謡とおなじだということをいいたいだけだ。ひとつのことが、つぎのことにつながり、それがまたべつのことへとつながってゆく。ひょっとして杞憂かもしれないが、どのみちかんばしい状況ではない」(p188)
おおドミノ理論だ。もちろん共産主義の拡散を警戒しているわけではなく、インドとパキスタンの間で核が使われたら、中国だって台湾に使うかもしれないし、そうなりゃロシアだって(以下続く)、という理屈。で、こういう理屈に基づいてアメリカ政府がひそかにインドとパキスタンの間に渦巻く謀略に介入する。