ようこそゲストさん

Bookstack

メッセージ欄

『[読書中]』 で検索

2006/01/13(金)

日常

[]幸運は誰に? / カール・ハイアセン

民兵組織(?)“ホワイト・レベル・ブラザーフッド”が改名にいたるくだりなどがたいへんバカバカしくてよい。

ちなみに「NATOの共産主義者」によるアメリカ侵略を警戒する白人優越論者が出てくるが、彼らの妄想はハイアセンが話を面白くするために考えたものではない。実際にそういう陰謀の存在を信じている人がアメリカに存在し、いっしょうけんめい武装していたりするのだ。

例えばこんな人。

ISBN:1881532054

ISBN:1881532143

2006/01/10(火)

日常

[]幸運は誰に? / カール・ハイアセン

大当たりの宝くじをめぐって、おかしな人たちが騒動を巻き起こす……ようである。

のっけから陰謀史観まみれの小悪党が登場する。作者曰く「責任転嫁の達人」。まあ、陰謀史観というのは「なんでも人為的な事態と解釈する」ことなので、そういう見方は外れていない。

ISBN:4594050786

ISBN:4594050794

2006/01/08(日)

日常

[]喉切り隊長 / ジョン・ディクスン・カー

臆面もなく面白い。ディクスン・カーの大仰なスタイルって、二〇世紀を舞台にした作品では笑いのタネだが、過去の時代を舞台にした作品では輝きを帯びて見えるから不思議だ。

二〇世紀には失われてしまった古めかしいロマンと冒険。ディクスン・カーは間違って二〇世紀に生まれてしまった男なのかもしれない。でも、数々の快作や怪作を楽しめるのは、彼が生まれる時代を間違ってくれたおかげである。

[]奇妙な情熱にかられて / 春日武彦

ISBN:4087203204

予想どおりの面白さ。今読んでいるのはミニチュア篇だが、自宅の精巧な模型を作った友人の思い出とか、俳句を二文字にまで切りつめる話とか、楽しいエピソードが満載である。

以下は著者がアルバイト先の病院で見かけたもの。

ふと棚におかしなものが置いてあるのが目に入った。一部を斜めに削り取った細長い木片で、古くて全体が煤けたような色になっている。しかも表面には、下手くそな文字がマジックインキで書いてある。「私を捨てないで下さい」と。

「捨てないで」と訴えかける奇怪な木片。だが、この木片には合理的な用途が存在し、書かれた文字にもちゃんと存在意義があったのだ!

……お、エラリー・クイーンの話が出てきた。

2006/01/07(土)

日常

[]喉切り隊長 / ジョン・ディクスン・カー

ISBN:4150703620

ついカーが読みたくなって読み直し始めた。カーなら何でもよかった。今も反省はしていない。

2006/01/05(木) ちょいと風邪気味

日常

[]地を穿つ魔 / ブライアン・ラムレイ

いやあ楽しい。ホラーなんだから“恐怖”とか“戦慄の”とかいう言葉でもって表すのが本来のありかただろうけど、こいつを読んでいて最初に感じるのは楽しさだ。

根っからのクトゥルー神話好きが、「ぼくの考えた邪神」が大暴れする物語を夢想し、この現実社会を怪奇と妄想のワンダーランドに組み替えてゆくのだ。楽しくないはずがない。

幼い子供が、さまざまな色や形のブロックを組み合わせて「ぼくの考えた乗り物」を組み立てるのに似ている。ブロックの代わりに使うのは、「忌まわしい地底都市」や「狂えるアラブ人が記した禁断の書」や「封印された太古の邪神」だったりするけれど。

そんなラムレイのワクワクしているさまが行間から伝わってきて、とても怖がっている場合ではありません。こちらも驚喜しながら読んでいる。