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2008/08/26(火) 35歳の初体験

日常
妙に頭が痛い。もっとも熱はないので風邪のたぐいではなさそう。
そういえばなぜか背中も痛い。というか背中の痛みが首筋を上って頭に届いているような感じ。
……てなことを家に帰ってから妻に話していたところ、ふと彼女が気がついた。

「肩が凝ってるよ」

え? あ、そうなのか。これが肩凝りというものなのか!
実はこれまでの人生で、「肩が凝る」という感覚を経験したことがなかったのだ。なので、「背中の痛みと頭痛」として認識していたようだ。
そう認識したとたん、背中の痛みなどは引いてしまって、身体のなかの違和感が急に肩の付近に集中したような気分に。人間の身体は不思議なものである。

しかしここ数日、とくにがんばって働いたような記憶もないのだが。なぜだろう。単なる運動不足かな。

1: 単二 『なんですとー! それはビアちゃん、幸運な人生過ぎだよ!! ま、40過ぎたら慢性化への道が待ってるけどね〜(T-T)』 (2008/08/27 10:33)

2: 古山裕樹 『ううむ幸運だったのですか。 そういえばまわりを満ても、けっこう前から肩凝りに悩む人が多かったかも……』 (2008/08/27 22:52)

ベニン湾の戦雲

冒険小説
ベニン湾の戦雲 荒海の英雄ハーフハイド1 フィリップ・マカッチャン / ハヤカワ文庫NV

 英国海洋冒険小説のシリーズ第1作。本棚の整理ついでに読む。

 時は1891年。西アフリカのベニン湾に、ロシアが要塞を築いて、英国の交易を妨げているとの情報が入った。海軍大尉ハーフハイドは、現地に潜入するという極秘任務を命じられた。ベニンでハーフハイドを待ち受けていたのは、ロシア海軍の戦隊。それを率いるのは、かつて彼を捕虜にしたロシア海軍の提督・ゴルジンスキーだった……。

 英国産の海洋冒険ものといえば、主な舞台はナポレオン時代か第二次大戦。つまり、今まさに戦争中、という時代だ。
 ところが、このシリーズの舞台は19世紀。ボーア戦争やアフガニスタン戦争といった植民地での武力衝突は起きていたものの、いわゆる列強同士の正面からの戦争はクリミア戦争以降起きていない(もっとも、主人公がロシアの捕虜になっていたことからわかるように、小規模な衝突は起きていたようだ。)。
 もちろん、平和な時代とも言い難い。列強諸国の勢力拡大をめぐる熾烈な争いが繰り広げられていた時代なのだ。正面きっての衝突を避けながら、自国の勢力を伸ばすために謀略をめぐらす。そんな状況の中、本書でハーフハイドが命じられる任務も、「戦え」というものではない──むしろ「戦うな」という性質のものだ。
 そんなわけで物語はスパイ小説風味。主人公はひねくれ者で世渡り下手だが、ここぞというときには悪知恵が働く。

 帝国主義の時代を舞台にした、スパイ風味の冒険小説として楽しめる。長さもお手頃。

スノウブラインド

ミステリ
スノウブラインド 倉野憲比古 / 文藝春秋

不吉な伝説に彩られた洋館・蝙蝠館。館の主、ホーエンハイム教授に招かれた学生たちが集まった夜、惨劇の幕が上がる……。

というわけで、吹雪に閉ざされた洋館での連続殺人、である。
2008年の新刊で、ここまで「いかにも」な状況設定。これで正攻法の謎解きが繰り広げられたりしたら、かえって失望する。いかに無茶な方向に持っていくか。どんな反則をしてくれるのか、と期待してしまう。

で、そういう期待には応えてくれる作品である。あまりに無茶なのでちょっと嬉しくなってしまった。

著者の考えは、登場人物たちの探偵小説談議からもうかがえる。
人間の手によって産み出された探偵小説も、ひとつの芸術的有機体としての生命を持つならば、謎から解決へと直線的に進むのではなく、さっきも言ったように、謎また謎へと円環しなければならない。
推理小説って、大抵合理的な解決がついちゃうでしょ? あれがどうもダメ。合理、合理で押し切られるから、なんだか後に残らないっていうか
そのせいか、この物語も微妙にひっかかる点を残したまま終わってしまう(私が何か見落としているのでなければ)。
ただ、単に解決せずに宙吊りにするのは「謎また謎へと円環」とは違うので、そのあたりがやや不満。

1: 夏来 『へええ、それは早速入手せねば。』 (2008/07/08 26:00)

2: 古山裕樹 『へんなもの好きな方にはおすすめです。』 (2008/08/27 22:53)

ソリューション・ゲーム

ミステリ
ソリューション・ゲーム 伊園旬 / 宝島社

ブレイクスルー・トライアル』の作者の第二作。

副題は「日常業務の謎」。いわゆる「日常の謎」だったら犯罪が絡むことはほとんどないけれど、「日常業務」となると話は別だ。コンプライアンスがどうのこうのとるさい昨今、対応を誤ると会社の命取りになりかねないケースもある。

大学卒業後も定職につかない東一俊は、父が役員を務める大企業に就職するはめに。入社早々に出向を命じられて向かったのは、社長と経理部長の二人しかいない小さな関連会社。業務のほとんどは、親会社から持ち込まれるトラブル解決だった。ただし、その中には、法令遵守の観点からは危険な依頼も……。

第一話の「漏曳?」では、厳重に守られたサーバから、200人の個人情報が流出した理由を探る。ネットワーク経由で流出した様子もなく、CD-RやUSBメモリのような媒体が用いられた形跡もない。ではどうやって……? という謎を解くのだ。
探偵役を務めるのは社長の染屋。東はいわばワトソン役だが、その手のキャラクターにありがちなボンクラではなく、結構有能な人物である。この二人が、謎を解く以外にもさまざま方法で問題を解決する。時には不法侵入もやらかすし、「スティング」ばりの騙しを仕掛けたり……。主な業務はあくまでもトラブル解決。だから謎を解くだけでなく、その後の処理方法も提示しなくてはならない。そうした「落としどころ」の作り方も重要なポイント。
そうそう、連作短編形式のミステリならばぜひ欲しい趣向も、しっかり仕掛けられている。

ちなみに染屋は鷄ばかり食べている男として描かれているが、焼き鳥をどのように食べるのかが気になるところである。

1: イゾノ 『しまった! それをやるのを忘れていました(笑)。』 (2008/07/09 23:05)

2008/07/03(木) このミス大賞など

日常
また忙しさにまぎれてえらく間があいてしまった。
「このミス大賞」の一次選考も、ひとまず候補作を選び終えたので、忙しさも一段落……だといいな。