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ソリューション・ゲーム

ミステリ
ソリューション・ゲーム 伊園旬 / 宝島社

ブレイクスルー・トライアル』の作者の第二作。

副題は「日常業務の謎」。いわゆる「日常の謎」だったら犯罪が絡むことはほとんどないけれど、「日常業務」となると話は別だ。コンプライアンスがどうのこうのとるさい昨今、対応を誤ると会社の命取りになりかねないケースもある。

大学卒業後も定職につかない東一俊は、父が役員を務める大企業に就職するはめに。入社早々に出向を命じられて向かったのは、社長と経理部長の二人しかいない小さな関連会社。業務のほとんどは、親会社から持ち込まれるトラブル解決だった。ただし、その中には、法令遵守の観点からは危険な依頼も……。

第一話の「漏曳?」では、厳重に守られたサーバから、200人の個人情報が流出した理由を探る。ネットワーク経由で流出した様子もなく、CD-RやUSBメモリのような媒体が用いられた形跡もない。ではどうやって……? という謎を解くのだ。
探偵役を務めるのは社長の染屋。東はいわばワトソン役だが、その手のキャラクターにありがちなボンクラではなく、結構有能な人物である。この二人が、謎を解く以外にもさまざま方法で問題を解決する。時には不法侵入もやらかすし、「スティング」ばりの騙しを仕掛けたり……。主な業務はあくまでもトラブル解決。だから謎を解くだけでなく、その後の処理方法も提示しなくてはならない。そうした「落としどころ」の作り方も重要なポイント。
そうそう、連作短編形式のミステリならばぜひ欲しい趣向も、しっかり仕掛けられている。

ちなみに染屋は鷄ばかり食べている男として描かれているが、焼き鳥をどのように食べるのかが気になるところである。

1: イゾノ 2008年07月09日(水) 午後11時05分

しまった! それをやるのを忘れていました(笑)。


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