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銀行員のエドワードは、なぜか公爵家の蔵書を整理することに。さらに、友人からもらった謎めいたコンピュータゲームに引き込まれてゆく……。
以下、内容とは関係ないけれど……
いいかげん、何でもかんでも『ダ・ヴィンチ・コード』を絡めるのはやめた方がいいんじゃないかと思いました。「『ダ・ヴィンチ・コード』を凌ぐ」とか帯に書くと本が売れるわけでもないだろうに(それとも売れるのか?)。
時は第二次大戦末期、舞台はアラスカ。若いベルク軍曹は、日本軍の風船爆弾を秘密裏に処理することを命じられる……。
冒険小説かと思って読み始めた。戦争という状況と厳しい自然を利用して組み立てられているところは冒険小説っぽいけれど、描こうとしているものはそこから少し外れたところにあるような気がする。幻想小説の二、三歩手前で踏みとどまっているような不思議な感触。
ひとまずハヤカワ文庫版を再読終了。
こちらはこちらで十分に楽しめる作品だが、確かに端折ったような形跡が見られる構成ではある(後知恵)。登場人物の過去の描き方などはちょっと舌足らずに思えるところも。
怪事件の正体が読者には何となく見えていて、でも登場人物はなかなか気づかず、何人かが気づいても「そんな馬鹿な」と頑強に否定する奴がいて……という「志村うしろうしろ」感ゆえにホラーとして評価されたと思うが、他の作品にも共通する「マレルらしさ」というのはここにも見られる。
やっと下巻に。それにしてもずいぶんゆったりしたペースである。話の展開も、私がそれを読むスピードも。
ひとまずハヤカワ文庫版を再読中。
かつてハヤカワ文庫のモダンホラー・セレクションから出ていた『トーテム』が、もうすぐ創元推理文庫で復刊されるわけですが、その解説を書くことに。そんなわけで、当面マレル仕掛けの明け暮れです。
ちなみに単なる復刊ではない。かつて訳されたバージョンは、マレルの意に添わないまま短縮された版。今回刊行されるのは、後にマレルが復元した完全版である。
ゲラをいただいたので、少しだけ旧版と読み比べてみたが、文章は大きく違う。冒頭の場面からして違う。初読のような気分で楽しめそうだ。