■天気は……
そんなわけで、私の「仕事が適度にヒマになりますように」という願い事は雨に消えた。
■[ミステリ] ハシシーユン暗殺集団 / テッド・ベル (2)
力士・イチノヤマはやってくれました。本書のクライマックスは相撲勝負。主人公(もと海軍中佐)が、アメリカを破滅から守るために土俵に立つ!
もちろん「切腹」というキーワードも出てきます。国辱描写マニアは必読。
■某誌編集部さま
ごめんなさいごめんなさい。本当にごめんなさい。
2005年7月の日記
4年ぶりに復活。
1年間に文庫化(or再刊)されたミステリー/時代小説/恋愛小説のベスト10アンケート結果に、作家インタビュー、官能文庫大賞などなど。
p.14とp.15では、福井健太さんと千街晶之さんが左右に並んでいる(わはははは)。ふと見ると、お二人そろって田中啓文『UMAハンター馬子』をベスト10にあげているではないか(わはははは)。
あなたがクトゥルー神話好きなら、これを読んだ方がいい。あなたなら、作者が仕掛けた伏線(駄洒落だが)を正しく受け止められるはずだ。私は最終章で腰を抜かしました。
表紙からも分かると思う。頭をカラッポにして楽しむ冒険アクションものである。主人公は海賊の末裔で大金持ちで元英国海軍中佐といういかにもなヒーロー。敵は女性ばかりの暗殺集団。いやあ実に楽しそう。
しかも「クライブ・カッスラー絶賛」である。「スティーヴン・キング絶賛」には全く情報量がない(何でも褒めるからだ)けど、カッスラーである。傾向が明確ですね。少なくともパトリシア・ハイスミスみたいな作風ではない(……って、表紙を見れば分かるか)。
で、登場人物表がまた素晴らしい。これだ。
イチノヤマ……力士
力士! 力士だ!
元軍人やテロリストや米国国務長官に混じってスモウ・レスラーである。どういう活躍を見せるのかまったく分からないが、同じ日本人としてイチノヤマを応援したい(実はモンゴル人だったりしないよな。モンゴル人でも応援するけど)。
読んでみると、けっこう早い段階でイチノヤマの素性が明らかになる。彼を含む四人の力士は、優れたボディガードを求めるある人物に誘拐されて、国外に連れ去られたのだ。
当時、四人の力士の失踪に日本じゅうが大騒ぎとなった。だが、四人の行方は杳として知れず、そのうちに日本は不況のどん底に陥り、消えた力士たちのことは忘れ去られた。
ひどいよテッド! あんまりだ!
なんだか作者に対して腹が立ってきたが、ミステリマガジンに書評を書くためにも、そしてイチノヤマの活躍を見届けるためにも、がんばって最後まで読もうと思う。
キャンプ場で、ある若者が面白半分に二人の女性を銃で撃つ。そんな凄惨なプロローグで幕を開ける。それから四年後、ある刑事が事件の再捜査を始めるところから本筋が始まる。
ケッチャムといえば陰惨な描写だが、本書では(冒頭はともかく)あえてそれを抑えている。とはいえ、不穏な気配を濃厚に醸し出す筆さばきはケッチャムならでは。いびつな若者の日常を描くだけで不穏。ページを繰る手が止まらない。
詳細は次号ミステリマガジンにて(書評担当本なのです)。
某社グループ従業員向けの情報誌に、杉江松恋さんによるブックガイドの紹介記事が載っていた。ふと見れば『名探偵ベスト101』ISBN:4403250734も取り上げられているではないか。自分の勤務先に関係するもので、こういうのを見るとちょっと驚く。
1: kozukata 『ご好評でなによりです。アルレッキーノもありがとうございました。そして……うふふ……がんばってくださいませ。』 (2005/07/08 24:58)
2: ふるやま 『どうもです。やっと終わりました。』 (2005/07/10 27:12)