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2006年5月の日記

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2006/05/25(木)

日常

[]神のはらわた / ブリジット・オベール

ISBN:4151708103

ブラックユーモアたっぷりのサイコ・サスペンスだった『死の仕立屋』の続編。雰囲気は前と同じようである。つまりお下劣変態路線。そもそもオベールはそういう作家であることが、作品が訳されるたびにはっきりしてきた。初期の作品では猫をかぶっていたにすぎない。

『マーチ博士~』あたりを絶賛した人の中には、もう呆れている人も少なくないだろう。が、私は熱烈に支持したい。猫の皮をかぶった変態。もう猫はどこかに捨てたようだが。

[]元気なぼくらの元気なおもちゃ / ウィル・セルフ

ISBN:4309621899

ひねくれ気味の短編集。

[]FLUSH / カール・ハイアセン

ISBN:4652077742

ハイアセンのジュブナイル作品。

ルート350

小説
ルート350 古川日出男 / 講談社

全8編を収めた短編集。読んでいるうちに思い出すのは、作者の別の長編に記されたこの言葉だ。
でも、あなたたち、この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?
『ベルカ、吠えないのか?』
何を語るのかと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「どう語るのか」。どれも作者らしさを感じさせる文体でありながら、一編ごとに「どう語るのか」を変えているので、それぞれの印象は大きく異なる。

収録作

お前のことは忘れていないよバッハ

親の駆け落ちやら何やらで一軒の家に寄り添って暮らす三人の少女と、一匹のハムスター……その名もバッハの物語。えらくひねくれた語りの様式が、最後の最後にストレートに情緒を刺激する。

カノン

東京湾に築かれた、東京にして東京ではない虚構の王国。夢の王国に憧れ、その一員となることを目指す女の子と、その破壊を目指す男の子の出会いが語られる。王国を支配するザ・マウスの神話と、複数の現実を放送するラジオの対置が面白い。

ストーリーライター、ストーリーダンサー、ストーリーファイター

事故で入院中に幽体離脱した十五歳男子。霊魂として、三人の同級生の意外な素顔をかいま見る……だけならなんてことのない話。ここに幾何学的な仕掛けを組み合わせ、それを綴るのは煩悩まみれの一人称という趣向。

飲み物はいるかい

妻と別れた男が「離婚休暇」をとって、ささやかな旅に出る。スケールは小さいのに、ちゃんとしたロードノヴェルに仕上がっている。

物語卵

インコを集めて「救済」した男“バードマン”の事跡を語る「僕」。さらに入れ替わり立ち替わり、さまざまな物語の「卵」が語られる。

一九九一年、埋め立て地がお台場になる前

二月と三月の狭間の一日に、開発中の埋め立て地“13号地”を支配する暴力。読みながら私が想起していたのは『モンスター・ドライヴイン』だった。

メロウ

知的早熟児たちの夏期講習キャンプでのできごとを描く、J.G.バラード『殺す』を裏返したような話。あちらの無機的な恐怖に対し、こちらには生々しい高揚感がある。子供たちの描写には、スタージョン『人間以上』を思わせるところも。

ルート350

これまたロードノヴェル。わずか三ページの間にいくつもの国々を通過するはなれわざ。

陽気なギャングの日常と襲撃

ミステリ
ISBN:4396208138 伊坂幸太郎 / 祥伝社

陽気なギャングが地球を回す』の続編。

全体の約半分を占める第1章は“日常”。4人の主人公がそれぞれちょっとした事件に遭遇し、一応解決されるまでが語られる(ずいぶん非日常的な事件もあるけれど)。第2章は、銀行を“襲撃”した4人がたまたま誘拐事件に遭遇し、なぜか人質救助に首を突っ込んでゆく様子が描かれる。

前半の事件が後半の誘拐事件の伏線になっている……のだが、4つの事件の中には、誘拐事件そのものとのつながりは希薄で、ある小道具を舞台に上がらせる役割を担っているだけのものもある。このへんはささやかながらも物足りなかったところ(オチを担う重要な小道具ではあるのだが)。

構成自体はきわめて精緻で、前作同様悪党パーカーばりの意外な展開も待ち受けている。軽妙な会話に支えられた肩の凝らないサスペンスとしては質が高く、十分に楽しめる。何より、4人の“ギャング”のほどよい距離感が心地よい。

各パートの冒頭には、相変わらず辞書の怪しい引用が置かれている。“人間力”の定義が参考になった。私もときどき必要に迫られるので、人間力を高めたい。

2006/05/23(火)

日常

[]ルート350 / 古川日出男

極めて高い効率でデータ圧縮されたような、密度の濃い短編集。

詳細については「ルート350」をご覧ください。

[]嵐の惑星ガース / E・C・タブ

復刊されたデュマレスト・サーガ第一巻。懐かしさのあまり購入。

2006/05/22(月)

日常

[]陽気なギャングの日常と襲撃 / 伊坂幸太郎

『陽気なギャングが地球を回す』の続編。詳細は"陽気なギャングの日常と襲撃"をご覧ください。

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何事かと思ったら、5/22はコナン・ドイルの誕生日だったのですね。

某賞下読み

ようやく全部読み終えて、評価などまとめていたらそのまま床で眠ってしまった……。