▼ 陽気なギャングの日常と襲撃
【ミステリ】
伊坂幸太郎 / 祥伝社
『陽気なギャングが地球を回す』の続編。
全体の約半分を占める第1章は“日常”。4人の主人公がそれぞれちょっとした事件に遭遇し、一応解決されるまでが語られる(ずいぶん非日常的な事件もあるけれど)。第2章は、銀行を“襲撃”した4人がたまたま誘拐事件に遭遇し、なぜか人質救助に首を突っ込んでゆく様子が描かれる。
前半の事件が後半の誘拐事件の伏線になっている……のだが、4つの事件の中には、誘拐事件そのものとのつながりは希薄で、ある小道具を舞台に上がらせる役割を担っているだけのものもある。このへんはささやかながらも物足りなかったところ(オチを担う重要な小道具ではあるのだが)。
構成自体はきわめて精緻で、前作同様悪党パーカーばりの意外な展開も待ち受けている。軽妙な会話に支えられた肩の凝らないサスペンスとしては質が高く、十分に楽しめる。何より、4人の“ギャング”のほどよい距離感が心地よい。
各パートの冒頭には、相変わらず辞書の怪しい引用が置かれている。“人間力”の定義が参考になった。私もときどき必要に迫られるので、人間力を高めたい。
『陽気なギャングが地球を回す』の続編。
全体の約半分を占める第1章は“日常”。4人の主人公がそれぞれちょっとした事件に遭遇し、一応解決されるまでが語られる(ずいぶん非日常的な事件もあるけれど)。第2章は、銀行を“襲撃”した4人がたまたま誘拐事件に遭遇し、なぜか人質救助に首を突っ込んでゆく様子が描かれる。
前半の事件が後半の誘拐事件の伏線になっている……のだが、4つの事件の中には、誘拐事件そのものとのつながりは希薄で、ある小道具を舞台に上がらせる役割を担っているだけのものもある。このへんはささやかながらも物足りなかったところ(オチを担う重要な小道具ではあるのだが)。
構成自体はきわめて精緻で、前作同様悪党パーカーばりの意外な展開も待ち受けている。軽妙な会話に支えられた肩の凝らないサスペンスとしては質が高く、十分に楽しめる。何より、4人の“ギャング”のほどよい距離感が心地よい。
各パートの冒頭には、相変わらず辞書の怪しい引用が置かれている。“人間力”の定義が参考になった。私もときどき必要に迫られるので、人間力を高めたい。
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▼ 2006/05/23(火)
【日常】
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- ▼ 「僕の前にある」という路(ルート)は、本当にあるのか? 古川日出男「ルート350」(講談社) 梟通信~ホンの戯言