■そろそろ復調
体調も持ち直したし原稿も書き終えたし……というわけで、そろそろこちらを放置するのもおしまいにしよう。
読んだ本の記録はだいぶ漏れがあるし、日付も不正確になると思うけれど。
■[読了]トーテム / デイヴィッド・マレル
来月刊行の「完全版」の解説執筆用に再読。
旧版はいろいろなところを削った短縮版。完全版の方は、田舎町のパニックを描くことよりも、主人公と事件との向き合い方に重点を置いていて、冒険小説として楽しめる。何より人物描写が深化しているので、旧版よりも心に響く小説になっている。
あと、クライマックスが全然違う展開に。旧作を読んだ方も、完全版を読んだ方がいいと思う。
■[読了]血の誓い / デイヴィッド・マレル
これ以外も、マレルの旧作をいろいろ読み返していた。ちなみに本書の主人公は作家で、その父親は第二次大戦で戦死……と、マレルの境遇そのまんま。「読者を楽しませること」に徹していながらも、何かと自身の姿を投影する人なのだ。
■[読了]最後の喝采 / ロバート・ゴダード
こちらはミステリマガジン新刊評で取り上げた。帯には「異色作」と書いてあったけれど、読んでみればたいへんゴダードらしい作品。
■[入手本]殺人ピエロの孤島同窓会 / 水田美意子
第4回このミス大賞・特別奨励賞。「執筆時12歳」というところが目立ってしまって、色眼鏡つきで見られがちな作品である。今後も書き続けてゆくのであれば、作者にとっては重荷かもしれない。