警察小説であると同時に本格ミステリでもある、というのは解説にもあるとおり。丹念に手がかりを追って、曖昧な部分をひとつひとつ潰してゆく捜査活動の末に浮かび上がる意外な真相。読後、思わず最初のページに戻って読み直してみたくなる作品だ。