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Bookstack

2006/06/09(金)

日常

[]悪魔の栄光 / ジョン・エヴァンズ

ISBN:4846006611

私立探偵ポール・パインの一人称で語られるハードボイルド。

クライマックスから無常感漂うラストまで。

黄金時代の名探偵ばりに、関係者一同を前にパインが真相を解き明かすクライマックス。犯人を指摘する瞬間の大爆発が忘れがたい。理性と暴力とが奇妙な融合を見せる。

ここに炸裂するのは、チェスタートンばりの意外性だ。大胆な仕掛けと、それを支える思考様式。ギリギリのところまで踏み込んだ伏線。いわゆる本格ミステリ的なものの見方によって作られている。

その爆発を演出する筆致は、まさにハードボイルド。饒舌に語るのではなく、言葉の余白に緊張を漂わせる。

「これで演説は終わりだ。ごきげんよう、警部補」

謎解きは終わっても、物語が終わるまでにはもう少し間がある。

ずっと非情なスタイルを貫きながら、最後の2ページだけはエモーショナル。喪われるものへの感慨がにじみ出す。前作『血の栄光』の酷薄さとは全く異なる印象で、まさしく「かつての王国に帰還できなかったアル・カポネへの鎮魂歌」(解説・法月綸太郎)だ。とはいえ感情を暴発させるわけではない。あくまでも抑えたまま、最後の一行へと着地する。

全部で250ページ強。それほど長いわけではない。だが、密度は濃い。

[]渋く、薄汚れ。 / 滝本誠

ISBN:4845906880

情動に訴えかけるようなフィクションを、煽動力の高いレトリックを駆使しながら理知的に語る。理と情の緊張感が心地よい……のはいいけど、つい煽られて闇雲に洋書を買ってしまいそうで怖いです。

突発的に飲みに行きました

職場にて、そろそろ帰ろうかな……と思っていたところに電話が。恵比寿で飲んでるけど来ない? とのお誘い。さっそく行って、えらく濃密にミステリの話をして帰ってきた。

[] ママは悪魔ハンター / ジュリー・ケナー

ISBN:4152087323

帰ってきたら届いていました。どうもありがとうございます。

ヒロインはカリフォルニアに住む、二人の子を持つふつうの主婦。だが、実はバチカン法王庁で育てられ、悪魔退治の技法を身につけたデーモンハンターなのだ!!

……という楽しげなお話。作者はハーレクインでロマンス小説を書いている人。けっこう多作のようだ。

[] 果樹園 / ラリイ・ワトスン

ISBN:4270001259

こちらも送っていただいた本。どうもありがとうございます。

りんご園を営む若い夫婦と、高名な画家とその妻。二組の夫婦が織りなす濃密なドラマを描いたものらしい。

1: ♪akira 2006年06月12日(月) 午前11時07分

先日は突発的にお誘いしてすみませんでした。とても楽しかったです!ぜひ次回の某オフにもいらして下さいませ(^^)。

2: ふるやま 2006年06月12日(月) 午後10時27分

♪akiraさん

私も、楽しい時間を過ごすことができてよかったです。次回もぜひまいります。


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