▼ 2005/12/12(月) ミステリマガジン
【日常】
■新刊評
毎度のことながら遅れてしまってすみません>編集部
今回担当したのはこの4作。
- 『よい子はみんな天国へ』ジェシー・ハンター
- 『七月の暗殺者』ゴードン・スティーヴンス
- 『007/ハイタイム・トゥ・キル』レイモンド・ベンスン
- 『レイジング・アトランティス』トマス・グレニーアス
『よい子はみんな~』は、クリスマス・ストーリーとしてもおすすめの、ユーモアと危うさが同居するサスペンス。
IRAと英国政府のチェスゲームを描いた『七月の暗殺者』は、「駒」の内面もきっちり描かれていて、強く激しくおすすめ。
『007~』はお約束の踏襲が素敵。
扱いに困ってしまったのが『レイジング~』。南極の氷の下に超古代文明の遺跡がありましたよ、という『エイリアンvsプレデター』からエイリアンとプレデターを取り除いたような話だ。南極で超古代文明の遺跡を見つけましたよ、という話ならば、大風呂敷の達人クライヴ・カッスラーによる『アトランティスを発見せよ』という偉大な先達があるわけで、あまり何のヒネリもない話を書くのはどうかと思う。
南極といえば、超古代文明の遺跡やナチの残党が出てくるのはお約束である。したがってそういうものが出てきても、喜びはするけどあまり驚いたりはしない。
今までにいちばん驚いたのは、南極を舞台にした冒険小説に北朝鮮特殊部隊が出てきたときだ。よくぞこんな遠くまで。思わず目頭を熱くしてしまった。
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