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2005年12月の日記

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2005/12/27(火)

日常

[]眠れる人の島 / エドモンド・ハミルトン

往年のパルプマガジンらしい味わいに満ちた作品集。

忘年会

遅くまで大いに楽しく飲んだことである。

2005/12/26(月)

日常

[]眠れる人の島 / エドモンド・ハミルトン

ISBN:4488637043

SF作家として知られるハミルトンの、初期の幻想怪奇作品集。秘境冒険ものを中心に、ファンタジーやオカルト探偵ものを収録しているようだ。いずれも初出は「ウィアード・テールズ」。

2005/12/25(日) サイト移転

日常

移転しました

……と移転先に書いてもあまり意味がないのだが。

移転ついでに

 このへんも変えてみた。

#topicsのエンジンをYukiWikiからHikiに変更

#2002年~2004年の日記をYukiWikiからtDiaryに移行

 YukiWikiに何か不満があったわけではない。そもそもスクリプトのあちこちをいじって「俺専用」にしていたので、何か困ることがあっても自分のせいではないかという気もする。

小説

あるいは閉ざされた小さな場所。

 江戸川乱歩は閉ざされた小さな場所に独特の偏愛を抱いていたようで、「人間椅子」なんてのはその好例。あの話は、他の作家が書いてもあれほど面白くはならなかったんじゃないか、と思う。

 そういえばミステリで好まれる「密室」というシチュエーションも閉ざされた小さな場所であり、それを意識した作品も少なくない。最も記憶に残っているのは、ペール・ヴァールー&マイ・シューヴァルの『密室』。ある中年刑事の捜査活動を追う物語で、謎解き重視の作品ではない。だが、ここに描かれる密室は、単なる事件現場ではなく、社会そのものの閉塞感とも重なり合う。深く憂鬱な余韻を残す作品だ。

 そんな、閉所恐怖症の人にはオススメできない小説をいくつか思い出したので挙げておこう。 

『魍魎の匣』京極夏彦

魍魎の匣箱の中はみっしり詰まっているべきである、というテーゼを確立した名作。

『箱男』安部公房

箱男段ボール箱をかぶって生活する男の話……としか説明しようがない。登場人物の看護婦さんがどうにもえっちでよいです。

『箱のなかのユダヤ人』トマス・モラン

箱のなかのユダヤ人 第二次大戦下、オーストリアの田舎。ぼくの家は、恩のあるユダヤ人医師を屋根裏の「箱」にかくまうことにした……閉鎖空間でのドラマが魅力。

『箱の女』G・K・ウオリ

箱の女
 原題は"American Outrage"。事故で箱の中に三日間閉じ込められた女性の変容を軸に、現代アメリカのさまざまな面を浮き彫りにする。ニューイングランドの田舎を舞台にして、土俗的な味わいが濃い。

『地下室の箱』ジャック・ケッチャム

地下室の箱
 異常者に拉致され、地下室の箱に閉じ込められた女性の話。元気になれる鬼畜小説。→詳細

「人間椅子」江戸川乱歩

人間椅子w/ヤン・シュヴァンクマイエル
 短い中にも、乱歩の変態ぶりが遺憾なく発揮された名品。(amazonで検索)

「早すぎた埋葬」エドガー・アラン・ポオ

生きているうちに埋葬されてしまう、という恐怖(『ポオ小説全集3』などに収録)。
  • 2009-07-20 Bookstack 古山裕樹
    「このミス」大賞の応募原稿を返送。宝島社の方は非常に梱包スキルが高く、送られてくる箱にはいつも原稿がみっしりと詰まっている。原稿を取り出したあとで元通りに詰め直すのにいつも苦労するのだが、やはり今年もそうだった。容積が増減するものでもないのに。実に不思議で...

マンハッタン市街戦

冒険小説
スティーヴン・マーティン・コーエン / 創元ノヴェルズ

 1991年、湾岸戦争が勃発したころのニューヨーク。この街に潜入していた3人のイラク人工作員が活動を開始した。人々が集まる場所に次々と爆弾が仕掛けられ、街は戦場と化す。

 彼らを狩り立てるのは──休職中だった敏腕刑事に、粗暴な爆発物専門家、そして謎の多いFBI捜査官。バグダッドの戦争に並行して繰り広げられる、ニューヨークでの戦争の行方はいかに?

 1997年の作品。都市を狙ったテロ、という素材のあまりにお気楽な扱い方に、9.11以前ならではの大らかさを感じる。もちろんアラブの大義だのアメリカの正義だのはどうでもよくて(なにしろ作者はこの作品をガイ・フォークスに捧げているのだ)、爆弾を仕掛ける3人と、それを追う3人との対決をアクション映画風に描いている。

 題材の扱いかたがお気楽に見えてしまうのは、緊迫したアクションの合間にバカバカしい(あるいは品のない)ギャグを挿まずにいられないという、作者の因果な性癖によるものだろう。

 特にカーチェイスの場面は爆笑モノ。行く手をさえぎるのは、愛と平和を説くハレ・クリシュナの信者の一団だったりするのだ。追う側も追われる側も、ハレ・クリシュナの皆さんを平気で巻き添えにして銃撃戦を始めてしまう。

 そういえば、作中に登場する映像解析システムは、ハーポとチコとグルーチョという名前の3台のコンピュータで構成されているのだ。根っからのギャグ好きであろう。