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2006年6月の日記

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2006/06/08(木)

日常

[]悪魔の栄光 / ジョン・エヴァンズ

ISBN:4846006611

お話は後半へ。往年のギャング、何か企んでいそうな女性、そして謎の怪人。古文書をめぐる争奪戦が加速する。

後頭部を殴られて気を失う……というこのジャンルの定番も、しっかり使われている。

[] 5 / 50

結局帰宅は遅い時間に。あまり進まず。

[]翡翠の家 / ジャニータ・シェリダン

ISBN:4488149049

送っていただいた本。ありがとうございました。

1949年の作。新人作家ジャニスと、そのルームメイトとなった中国系の女性。ふたりのヒロインが殺人事件に巻き込まれる……というコージー・ミステリだそうな。

解説をちょっと読んでみたが、作者の生い立ちが劇的である。

幼い頃、祖父をのちにメキシコの革命家となる山賊パンチョ・ビリャに、父親を政敵に殺され、彼女は母親とふたり、さまざまな苦労をしました。

まるでジェイムズ・カルロス・ブレイクの登場人物である。でも作品はコージー。

2006/06/07(水)

日常

[]文章探偵 / 草上仁

ISBN:4152087293

この本の校閲を担当された方の苦労がしのばれる。

なにしろこの小説、登場人物の誤字や誤変換、さらには表記の癖なんかが謎解きの重要な手がかりになっているのだ。なぜか変換できない、と思ったら実は伏線だったりする。誤字や表記のばらつきには、ちゃんと意味があるのだ(……という話の都合上、作中人物の書く文章は誤字が多い)。

タイプミスとおぼしき誤記をもとに、書き手がローマ字入力かカナ入力かを推理するのは序の口(←これは日常でもよくありますね)。「用件」を「要件」と書き間違えるのは、仕事で「要件」という言葉をよく使う業種の人である、とか。

こういう話が好きな人とか、仕事で文書の誤字をチェックすることが多いとか、そういう方には面白いと思う。『文章探偵』なんて題名にそそられる人なら、楽しく読めるはず。

で、これは伏線の類ではなく、単なる誤記だと思うのだが……p.235で、隣り合っているのは『U』と『O』ではなくて、『U』と『I』ではないだろうか。「かすか」を打ち間違えて「かしか」になった、という文脈なので。

[]悪魔の栄光 / ジョン・エヴァンズ

ISBN:4846006611

まだまだ序盤。『血の栄光』の葬儀シーンと同じく、本書もまた「イエスの自筆文書」という印象深いエピソードから始まる。

半世紀以上昔の小説でよかった。これが2~3年前に書かれた小説だったら、今ごろ帯に「ダ・ヴィンチ・コード云々」とか書かれているところだった。

絶賛! 号泣!

歴史ネタが出てくるだけで帯に「ダ・ヴィンチ・コード云々」と書くのも、そろそろ下火になってきたようでほっとしている。そういえば「ダン・ブラウン絶賛」という帯のついた本もある。

ISBN:427010032X

そう、ダン・ブラウンは今や絶賛する側の人である。歴史伝奇ネタ方面では当面重宝するだろう。

ところで、絶賛界の巨峰といえばやっぱりスティーヴン・キング。「キング絶賛」といえば、「面白いかどうか」といった雑念とはもはや無縁。あらゆる価値判断から独立した、"純粋絶賛"とでもいうべきものである。

私が読むものでよく遭遇するのは「クライブ・カッスラー絶賛」。作品のできばえはともかく、傾向はきわめて明快。世界をまたにかけた、細かいところを気にしないほうがよい冒険活劇である。

どう解釈したものか悩んでしまったのは、『雨恋』の「大森望氏も涙」。

[] 5 / 50

ちょっとずつ進めています。木曜と金曜は、勤務先の仕事をさっさと切り上げたいところ。

2006/06/06(火)

日常

[]血の栄光 / ジョン・エヴァンズ

再読。非常に満足。

フリーランスとして生きてゆくためのしたたかさを備えた主人公(減らず口をたたいて我を貫きながらも、譲るべきところでは譲っている)。ストイックな描写。冒頭の異様な光景の意味がきれいに解き明かされる点に代表されるように、ミステリとしての構成は凄まじく緻密。自らの内面をむやみに語らないスタイルならではの驚きも用意されている。ラストの酷薄さも、今となってはどこかで見たような気もするけれど、それでも素晴らしい。

[]文章探偵 / 草上仁

中盤へさしかかる。新人賞の応募原稿に酷似した殺人事件が起きたり、主人公の身辺の事情が明らかになってきたり。

文章プロファイリングの過程を読んで、「ちょっと恣意的じゃないの?」と思う部分もあったのだが、そのへんを逆手に取るような展開に。こりゃいいね。

ちなみに、主人公が審査を務める新人賞では、個人情報保護の観点から、応募者の住所その他を主人公には明かさないようにしている。

が、私の経験の範囲では、原稿と一緒に応募書類もそのまま送られてきたりする(出版社によっては、ちゃんと個人情報を伏せているところもあるそうだ)。こんな扱いの難しいものまで預けられても……と少し困ってしまう。

[] 4 / 50

5本目を読んでいる途中。今月は

  • 通勤途中や勤務先の昼休みに本を読み、
  • 家ではなるべく応募原稿を読む

……ようにしようと思ったのだが、なにぶん帰りが遅いので、読む体力もないまますぐに寝てしまう。土日に集中しそうな予感。

2006/06/05(月)

日常

勝因

一度だけだと単なるまぐれの可能性もあるので、調子に乗って偉そうなことを述べるのは控えておきます。強いていえば、締切が来る前に書き始めたことでしょうか。>kozukataさん

まあ、ここに読みかけの本のことをあれこれ書いていたのも効いているかもしれません。もちろん、原稿にはここに書かなかったことも入れていますが。

なお、2時間どころではない前倒しです!>杉江さん

[]去年の本数とか本を読む速さとか

去年は40本+αでした。>takagiさん

読むスピードは、こういう生活をしてると多少は上がるんじゃないかと思います。ただ、量を追い求めるのもあまりよくないですよね。時間をかけてじっくり読んだ方が面白い本も多いですから。そんなわけで、同じ本を再読することもよくあります。

[]悪魔の栄光 / ジョン・エヴァンズ

ISBN:4846006611

時は1940年代、私立探偵ポール・パインの一人称で綴るハードボイルド。「栄光」シリーズ第2作。第1作と第3作、そして番外編の『灰色の栄光』は訳されながら、これだけはダイジェストだけの紹介にとどまっていた。

そういえば典型的な私立探偵小説って、長いこと読んでないような気がする。

[]血の栄光 / ジョン・エヴァンズ

そんなわけで第1作を読み直す。

お話の細部はすっかり忘れていたけれど、冒頭で私立探偵パインが遭遇する奇妙な葬式──12人の牧師がいるほかは、喪主も親類縁者も弔問客もいない──はやはり印象が強い。

[]フォーチュン氏を呼べ / H・C・ベイリー

ISBN:4846006646

片腕の私立探偵ダン・フォーチューンではなく、黄金時代の名探偵のひとり。

2006/06/04(日)

日常

[]4 / 50

結局全部で50編を読むことに。で、本日箱が届いた。

ミステリマガジン書評

編集部の方はにわかに信じがたいと思いますが、先ほど書き上げたので送っておきました。

締切前に送るなんて何年ぶりだろう……

1: 杉江松恋 『まだ〆切より2時間も前だというのに……。』 (2006/06/05 9:21)

2: kozukata 『昨日確認して素晴らしいなあと感服しました。勝因はなんでしょうか?突き止めて、ぜひ私をふくめ、ほかの方々にもご教授いただきたいもの...』 (2006/06/05 11:59)

3: takagi 『びっくりしました。「このミス大賞」。約一ヶ月で、50編も読むのですか。昨年度は、何編読まれたのですか?昨年の日記を拝見すると、下...』 (2006/06/05 18:05)